長崎サミット緊急開催 「地域内で消費拡大を」 共同でメッセージ

産学官の共同メッセージを掲げる長崎サミットのメンバー=長崎市大黒町、ホテルニュー長崎

 長崎市域の産学官7団体トップが一堂に会する「長崎サミット」が2日、新型コロナウイルス感染拡大を踏まえ、同市内で緊急開催された。コロナ禍を乗り切るため「地域内での消費拡大」などに県民市民と一丸になって取り組もうとの共同メッセージを発信した。
 具体的には県民市民に対し、国から全員に10万円が配られる特別定額給付金について、地域の中で積極的に消費し飲食店や商店を応援するとともに、県内旅行を呼び掛けた。事業者には、各業界団体作成のガイドラインに対応した安全安心の店づくりや旅の提供を行うよう促した。
 このほか、感染防止と経済社会活動を両立させる上で「新しい生活様式の定着」を推奨し、テレワークの環境整備を一例に挙げた。行政などの支援策が必要な人や事業者にしっかり届き、有効活用できるようにすることも盛り込んだ。
 意見交換で、長崎商工会議所の宮脇雅俊会頭は「宿泊・飲食関連をはじめ、あらゆる業種で影響が大きく、事業継続の限界が近づいている」と懸念。同給付金で県内消費を促すため、特に公務員に協力を求めた。これに対し中村法道知事と田上富久市長は終了後の記者会見で、県庁内と市役所内でそれぞれ呼び掛ける意向を示した。
 長崎経済同友会の中牟田真一代表幹事は「県民市民一人一人に地元の店を応援する意識を持って積極的に利用していただけるよう、早急に官民挙げてキャンペーンを実施する必要がある」と訴えた。県経営者協会長の代理で岩根信弘専務理事は同給付金について「可能な限り市中に出回り、生きたお金として流通するよう、各団体と連携し取り組みたい」と述べた。
 長崎青年会議所の峰昇平理事長は、市民の不安や自粛の心理を和らげ経済を回そうと、献血や衛生用品の寄付など実践を積み重ねていると報告。長崎大の河野茂学長は「経済をV字回復させるには安全安心なシステムの構築が必要」と強調。感染拡大リスクが残っているため、軽症者らの療養先となるホテルの確保に市民の理解を求めた。
 長崎サミットは年2回開催。21回目の今回は7月末に予定していたが、コロナに対応し2カ月前倒しした。感染防止のため通常250人の出席者を約50人に絞った。


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