2019年の東京の転入超過数は8万人以上。転入超過は2011年8月から104ヶ月も続いている

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東京都には他県から47万人も移動してくる!

人口は出生や死亡による自然増減と、人の移動による社会増減によって変化します。今回取り上げるのは社会増減のみですが、人の移動は人の意思によってすることから、地域ごとの人気の有無が良くわかります。

魅力のある(住みたい)地域は転入者が増えやすく、魅力のない(住みたくない)地域は流出者が増えやすくなります。

まずは総務省の住民基本台帳人口移動報告から、2019年の東京都内での移動者数、東京都への転入者数、東京都からの転出者数、転入超過数を確認してみました。

都内移動者……都内で市区町村の境界を越えて住所を移した人
他道府県からの転入者……他道府県から東京都内へ住所を移した人
他道府県への転出者……東京都から他道府県へ住所を移した人
転入超過数……転入者数から転出者数を引いた数で転入超過数がマイナスは転出超過を示す

2019年の1年間に、東京都は他の道府県から46万6849人が転入しており、ほぼ同数の46万2158人が都内の区市町村から他の区市町村へ移動しています。そして、他の道府県へ38万3867人が転出しているので、東京都の転入超過数は8万2982人となっています。

人口減少時代にこれだけ転入超過数が多い都道府県は他にはありません。転入が超過している都道府県は全国で8都府県しかなく、東京の次は神奈川県の2万9609人なので、東京都の一人勝ちのような状況です。

転入は大阪や愛知から、そして転出は埼玉へ!

では東京都の転入超過はどこが要因となっているのでしょうか? 東京都への転出超過数が特に多い都道府県と少ない都道府県を探してみました。

東京都への転出超過数が多い都道府県・少ない都道府県

資料:総務省「住民基本台帳人口移動報告(2019年年報)」

大阪府は東京都とともに日本を代表する大都市ですが、実は1年間で8231人も東京都へ転出超過しています。東京都への転出超過者数は大阪府が最も多く、2番目が愛知県から7713人、3番目が兵庫県から5571人といずれも大都市から多く転入しています。

そして不思議なことに、埼玉県に対してだけは転出が超過していて、1年間で東京都から6428人も超過しています。

東京都は15年間でわずか8回しか転出超過の月がない!

最後に東京都の転出入状況を、月ごとに15年間(180ヶ月)調べてグラフにしてみました。1つ目のグラフが直近の2015年4月からの5年間(60ヶ月)、2つ目はその前の2010年4月からの5年間、3つ目はさらに前の2005年4月からの5年間です。

資料:総務省「住民基本台帳人口移動報告(各月の月報)」

毎年同じような傾向にあり、3月に約4万人、4月に1万人強の転入超過、その他の月は1000人以上5000人以下の範囲で転入超過が続いています。

資料:総務省「住民基本台帳人口移動報告(各月の月報)」

東京都が転出超過(転入超過数がマイナス)になったのは2011年7月が最後で、その後2020年3月まで104ヶ月も転入超過が続いています。2011年は6月もが転出超過なので、同年3月に発生した東北地方太平洋沖地震の影響が何かあったのかもしれません。

資料:総務省「住民基本台帳人口移動報告(各月の月報)」

15年間(180ヶ月)でわずか8回しかない転出超過のうち、4回が2009年に集中しています。この年の出来事といえば、株安で景気が悪く、民主党への政権交代がありました。これらが転出超過にかなり影響していると考えられます。

180ヶ月の転出超過数を合計すると、約111万人です。年度替わりに就職や進学で転入してくる人が多いですが、全国からこれだけ人を集め続けている東京都は、やはり多くの人にとって魅力的なのでしょう。

ただし、東京都は物価も家賃も他県より割高です。東京で暮らしたいと思っている方は、暮らすためにいくら必要か、家賃と収入がかみ合っているか、なども視野に入れて検討しましょう。

新型コロナウイルス感染症の影響がどのように出るかわかりませんが、今後も東京都の転入超過は続くのではないでしょうか。

執筆者:松浦建二
CFP(R)認定者