留学生にも支援を コロナ禍、バイト減で困窮 熊本県の大学生5万円給付

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新型コロナウイルスの影響について外国人留学生から話を聞く「コムスタカ-外国人と共に生きる会」の中島眞一郎代表(右)=5月31日、熊本市中央区

 新型コロナウイルスの影響で、経済的に困窮する大学生らに1人5万円を支給する熊本県の支援策を巡り、外国人留学生や支援団体が「門戸の拡大」を訴えている。日本人学生と同様、アルバイトなどの収入減に直面しながら、支援策の対象外となっているためだ。

 支援の対象は、県内から県内外の大学や短大などに進学した学生か、県内で学んでいる県外出身の学生。両親らの住民税が非課税であることが要件で、困窮学生に対する国の現金給付(最大20万円)とは別に受け取れる。5月27日に申請受け付けが始まった。

 県が見込む対象は約4千人。留学生が含まれていないことに対し、外国人を支援する市民団体「コムスタカ-外国人と共に生きる会」(熊本市)の中島眞一郎代表(65)は「困窮しているのは留学生も同じ」と制度の改善を求める。

 コムスタカが5月、県内在住の外国人にアンケート(複数回答)したところ、110人のうち計39人が新型コロナの影響で「収入が減った」「収入がなくなった」と回答。25人は「生活費に困っている」と答えた。

 熊本市の専門学校で学ぶベトナム出身の男性(23)はアルバイトの時間が減少。「日本人と同じように働き、税金も払っているのに…」と疑問を抱く。収入がなくなり、貯金を切り崩す留学生もいるといい、「給付金がもらえるなら、みんな助かる」と話す。

 市内の日本語学校に通うベトナム出身の女性(28)もアルバイト先の食品工場で働く時間が減り、月収が2万~3万円落ち込んだ。8月には約60万円の学費の支払いも控え、「影響が長引けば、ますます生活が苦しくなる」と不安げだ。

 県は予算上の制約に加え、「留学生を含めれば制度設計にもっと時間がかかり、迅速な対応はできなかった。留学生を切り捨てるつもりはない」と説明。「留学生の状況把握に努め、支援が必要であれば検討したい」としている。

 国の留学生支援は成績評価や出席率など一定の要件を設けたため、ツイッター上には「♯留学生全員に現金給付を」とハッシュタグ(検索目印)を付けた投稿が拡散。中島代表は「留学生は、貴重な労働力として地域社会を支えている。困窮から救うだけでなく、多文化共生を進める施策としても制度改善は必要」と話している。(臼杵大介)