ネットで「対話カフェ」始めた中村涼香さん(19)上智大2年(長崎市出身) 「同世代の人たちにも、原爆や平和について考えてほしい」

オンラインでの取材に対し、「もっと何ができるんじゃないか、そう考えるだけでわくわくする」と語る中村さん

 「同世代の人たちにも、原爆や平和について考えてほしい」。長崎市出身の上智大2年、中村涼香さん(19)が昨年11月、首都圏の学生仲間5人と都内で始めた「対話カフェ」。平和問題などについて若者が気軽に意見交換する不定期の「対話カフェ」もネット開催に切り替えている。
 活水高在学時に、核廃絶への署名を集める「高校生1万人署名活動」に携わり、高校生平和大使としてノルウェーを訪問。積極的に平和を発信してきた。急転したのは3月。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、大学は休講が決定。「対話カフェ」など自身の活動も全てストップした。自宅にこもる日々に「うずうずして、とにかく何かしたかった」。
 仲間と連絡を取り合うと、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使うアイデアが出てきた。4月20日、「対話カフェ」をオンラインで初めて開くことに。事前に自身や仲間の会員制交流サイト(SNS)などで広く参加を呼び掛けた。案内文はイラストを交えて「なるべくおしゃれに」。参加の垣根を低くすることを心掛けた。
 そんな工夫が功を奏したのか、初回は約20人、5月上旬の2回目は約30人が参加し、徐々に規模が拡大した。オフラインでの開催時にはどうしても参加が首都圏の学生に偏りがちだったが、オンラインでは関西や東北、被爆地の広島や地元長崎の学生の姿もあった。
 コロナ禍での外出自粛期間中、思いがけず広がったネットワーク。「自分たちでもこれだけ多くの人がつながる場を提供できるんだ」。そんな自信も芽生えた。今後は「対話カフェ」に加え、より規模の大きいオンラインイベントも計画中だ。「(新たな仲間が増えて)もっと何かできるんじゃないか、そう考えるだけでわくわくします」

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