「100キロぐらいかと」 危険運転致死傷罪は成立するのか

タクシーに衝突し運転手と乗客4人を死亡させたとして、危険運転致死傷の罪に問われている三重県津市の元会社役員、末廣雅洋被告(57)は3日、裁判員裁判で危険な運転ではなかったとの認識を示しました。

起訴状などによりますと、末廣被告は一昨年12月に津市の国道23号で、制御が困難な時速約146キロで乗用車を運転し、国道を横切ろうとしたタクシーと衝突しました。

運転手と乗客4人を死亡させ、乗客1人に大ケガを負わせたとされています。

裁判員裁判では制御することが困難な速度で運転していたか、また被告が危険な運転であることを認識していたかの大きく2点が争点で、危険運転致死傷罪が成立するかどうかが争われています。

被告人質問で末廣被告は「左側から道路を横断してきたタクシーの後方を通り抜けようと左にハンドルを切ったところ、突然タクシーが止まり、スピードがかなり出ていたため追突してしまった」と話しました。

また、検察側の当時のスピードを問う質問に対しては「100キロぐらいで走っていたと思っていた」と話し、事故の危険は感じなかったかと問われると、「対処できると過信していた」と話し、危険な運転ではなかったという認識を示しました。

裁判はきょう4日に結審し、16日に判決が言い渡される予定です。

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