中古住宅を購入してリフォーム、リノベーション。費用相場や注意点を解説

中古住宅をリフォーム、リノベーションして、自分好みの住まいを手に入れる人が増えています。住宅を購入したいけれど、新築は高すぎて無理だと諦めている人は、中古住宅を購入してリフォーム、リノベーションするのがおすすめ。

この記事では、中古住宅を購入してリフォーム、リノベーションするときの費用相場や、注意したいことなどについて解説します。

《目次》- 中古住宅を購入してリノベーションするメリットとデメリット

中古住宅を購入してリノベーションするメリットとデメリット

数多くのメリットがある中古住宅のリフォーム、リノベーションですが、デメリットもあります。あとで後悔することのないよう、中古住宅リフォーム、リノベーションのメリットとデメリットについて、しっかりと理解しておきましょう。

中古住宅リフォームのメリット

リーズナブルな価格

中古住宅の大きな魅力は、新築と比較して価格がリーズナブルであることです。中古住宅と新築の価格がどれくらい異なるかについてチェックしておきましょう。

国土交通省の住宅市場動向調査によれば、住宅を購入する際の資金総額の平均は、新築の注文住宅が3614万円、分譲住宅が3597万円となっています。中古住宅を購入する際の資金総額の平均は、2192万円となっており、新築と比べると、1500万円ほど安い価格で購入できることがわかります。

ちなみに、中古住宅を購入して、フルリノベーションした場合の費用相場は、500万〜700万円であるため、全体的にリノベーションを行なったとしても、新築よりも約2割ほど安い価格で済むのです。

立地条件が良い

新築を建てる場合、まずその土地を探さなければなりませんが、立地条件の良いエリアには、すでに家が建っていることがほとんど。条件のよい土地を見つけたとしても、かなり価格が高額になってしまいます。近年、少子化・高齢化の影響により、中古物件市場が拡大しています。そのため、駅から近い、都心へアクセスしやすい物件がたくさん出回るようになりました。立地条件で物件を探すと、中古住宅の候補数が増え、たくさんの選択肢の中から、ライフスタイルにぴったりな物件を見つけることができるのです。

理想の住まいを実現

中古住宅を購入して、リフォーム、リノベーションすることが人気となっているのは、自分の好みどおりの住まいを実現できるからでしょう。中古住宅の築年数や状態によってリフォームの規模は大きく変わりますが、人気のオープンキッチンにしたり、間取りを変更して広々としたリビングダイニングにしたりと、おしゃれな住宅デザインを楽しむことができます。

自分がこだわりたいところにお金をかけることができるため、住宅の満足度も高くなります。新築の注文住宅も、自由にデザインを決めることができますが、価格がかなり高額です。中古住宅なら、リフォーム、リノベーションにより、安い価格で理想的な住まいを手に入れることが可能となるのです。

広い家が多い

少し築年数の古い住宅は、敷地が広い物件が多いのも特徴です。30年ほど前は、子どもが複数人いることや、二世帯・三世帯が同居することが一般的だったため、その時代に建てられた住宅は広い家がたくさんあります。敷地が広い中古住宅なら、間取りを変更して、現在のライフスタイルにマッチする住宅に変えることも容易です。新築だと、とても手が出ないような広い家も、中古住宅なら予算内で見つけられる可能性が高くなります。

中古住宅の事例別リフォーム費用の目安

中古住宅のリフォーム、リノベーションは、規模によってかなり価格が異なってくるため、費用には大きな幅があります。一般的に2LDK〜3LDKほどのファミリー向け中古住宅をリフォーム、リノベーションする場合の総額の費用相場は、約600万〜1200万円前後となっています。

中古住宅の築年数が浅く、リフォーム、リノベーションの規模が小さい場合は、500万円以内の予算でおさまることもあります。逆に、解体し、骨組みだけにしてからリフォーム、リノベーションを行う場合は、約1500万〜3500万円ほど費用がかかってしまうこともあります。中古住宅のリフォーム内容の事例別に、費用がどれくらい必要なのか確認してみましょう。

全面改装・スケルトンリフォーム

スケルトンリフォームとは、柱や梁、床などの骨組み(躯体)だけ残した状態にするために、内装や外装、設備をすべて解体してから全面改装リフォームを行うものです。築年数の古い中古住宅でも、新築と同じような新しさにすることができ、自由にデザインできるため人気となっています。

スケルトンリフォームには、解体し廃材を撤去する費用(約50万〜100万円ほど)、老朽化が進んでいる場合の補強工事費用(約20万〜320万円ほど)、キッチン・お風呂・トイレや内装材などの設備費用(約340万〜800万円ほど)、給排水管・電気配線工事費用(約150万〜400万円ほど)、その他工事に関わる諸費用(約75万〜200万円ほど)がかかります。戸建中古住宅のスケルトンリフォームのトータル費用の相場は、約600万〜1850万円前後となっています。

間取りの変更・内装リフォーム

広々としたリビングダイニングを設けるリフォーム、リノベーションは人気

中古住宅のリフォーム、リノベーションで、人気が高いのが間取り変更、内装のリフォームです。広い部屋を二部屋に分けたり、間仕切りを撤去してひとつの広い部屋にしたり、広いリビングダイニングを作ったりと、間取り変更のリフォームを希望するケースはいろいろあります。

間取り変更のリフォームでは、間仕切りを撤去、または間仕切り壁を追加するという工事を行います。そのため、間取り変更のリフォームを行う際は、天井や壁のクロスやフローリングの張り替え工事も必要です。新たにリフォームした間仕切りのまわりだけのクロスやフローリングを変えると、不自然になってしまうため、見た目の統一感を出すためにその部屋の壁紙・床材をすべて張り替えることもよくあります。

間仕切り壁を設置する工事の費用は、約8万〜25万円前後(一箇所につき)間仕切り壁の撤去工事の費用は、約7万〜23万円前後(一箇所につき)です。ちなみに、クロスの張り替え工事は、約1000円〜1500円前後から(平方メートルあたり)、フローリングの張り替え工事は、約3万〜6万円前後(一畳あたり)が目安となっています。

屋根・外壁のリフォーム

中古住宅の屋根・外壁の状態により、リフォームの費用が大きく異なります。屋根は、老朽化したり、ダメージが進むと、雨漏りなどが発生してしまうため、リフォームが必要になります。一般的に戸建住宅の屋根は、塗り替えを5〜10年に一回、葺き替えを20〜30年に一回行う必要があるといわれています。とくに中古住宅の場合、屋根が傷んでいることが多いため注意が必要です。中古住宅の屋根の塗り替えリフォームの費用は、約30万〜70万円前後です。葺き替えリフォームの費用は、約60万〜180万円前後と高額になります。

住宅の外装をしっかりチェックせず、内装の美しさだけで中古住宅を選ぶと、予想外のリフォーム費用が必要になってしまうこともあるため、注意しましょう。外壁の傷みは、住宅の寿命にも関係してくるため、ヒビなどがある場合は、しっかりと補修リフォームすることが必要です。

外壁のダメージがあまりない中古住宅の場合は、ヒビを埋める、コーキングを打ち直すといった外壁補修リフォームで済むこともあります。外壁補修リフォームの費用は、約5万〜20万円ほどが目安です。ヒビ割れなど、外壁のダメージがひどい中古住宅の場合は、外壁の塗装やサイディングが必要になります。外装の塗装リフォームの費用は、約30万〜120万円程度で、外壁のサイディングリフォームの費用は、約60万〜250万円前後になります。

外壁のダメージが大きければ大きいほどリフォーム費用が高額になるため、中古住宅を購入する際はしっかりとチェックしておいたほうがよいでしょう。

耐震補強・断熱リフォーム

築年数の古い中古住宅は、耐震性が低いものが多く見られます。そのため、耐震補強リフォームが必要なケースがほとんどです。耐震補強リフォームは、工事によってかなり費用に差があります。約25万〜200万円前後と幅がありますが、費用相場は約120万〜150万円ほどが一般的なようです。

柱と柱の間にブレースを取り付ける簡易工事なら、約20万〜25万円前後で耐震補強が可能です。壁の耐震性を向上させるために、外壁に補強材を取り付ける工事の場合は、約50万円前後で対応可能になります。外壁材を剥がし、柱や土台に耐震パネルを取り付け、新たな外壁材をかぶせる方法の耐震補強リフォームの費用は約65万円前後です。

築年数の古い中古住宅は、シロアリや湿気による劣化がひどいことが多く、腐食した箇所の補強が必要になるため費用が高額になりやすいです。

また、中古住宅は断熱性が低いものが多く、断熱リフォームが必要になることがほとんどです。断熱リフォームを行わないと、冬は寒くて暖房代がかさんでしまいます。断熱がしっかりされていない住宅は結露が発生しやすくなり、カビが生えるため腐食や劣化の原因になります。

断熱リフォームは、壁・床・天井・窓で行われます。断熱材の素材によって費用が変わりますが、6畳の部屋の壁を断熱リフォームした場合の費用は、約5万〜30万円前後です。床下の断熱リフォームでは、6畳一部屋あたりで約5万〜10万円前後の費用がかかります。窓を複層サッシに取り替えることでも、断熱効果が向上します。窓サッシ交換による断熱リフォームの費用は、一箇所につき約10万〜30万円前後が目安です。

水回り設備のリフォーム

中古住宅では、水回りを一新することで、新築のような新しさを実感できます。水回り設備にはキッチン・浴室・トイレ・洗面所がありますが、中古住宅ではこれらをすべてリフォームするのが人気です。

水回りのリフォームは、それぞれの商品費用と、既存製品の解体処分費用、設置工事費用や電気、配線工事費用などが必要になります。商品のグレードなどにより、リフォーム費用が変わりますが、キッチン・浴室のリフォーム費用はそれぞれ約50万〜150万円前後、トイレ・洗面所のリフォーム費用はそれぞれ約20万〜50万円前後です。

リビングリフォーム

家族みんなが集まるリビングは、おしゃれにリフォームしたいと思う方が多いようですね。壁紙を交換するリフォームの費用は、約1000円〜1800円(1平方メートルあたり)です。また、床材を張り替えるリフォームの費用は、約1万〜7万円前後(1畳あたり)となっています。

リビングのリフォームでは、間仕切りを取り外して、キッチンとダイニング、リビングを一続きにするリフォームも人気です。間取り変更リフォーム・キッチンのリフォーム費用も参考にしながら、ゆっくりくつろげる素敵なリビングにリフォームしましょう。

中古住宅購入+リノベーションの費用相場と利用できるローン

中古住宅を購入して、リノベーションを行うため、物件購入費用とリノベーション工事費用が必要になります。中古住宅リノベーション、リフォームでは、予想外の費用が必要になったという声もよく耳にします。費用が不足してしまった!ということのないよう、余裕のある資金計画を立てておくと安心ですね。

国土交通省による「平成29年度住宅市場動向調査」では、中古住宅の購入資金の平均金額は、2857万円だったと発表されています。この購入金額のうち、自己資金の平均は1318万円であり、住宅ローンなどの利用が多いことがわかります。中古住宅のリノベーションにかかる費用相場は、約600万〜1000万円前後です。中古住宅購入+リノベーションの費用相場は、約3400万〜4000万円ほどになります。

このほかにも、登記費用、不動産取得税、住宅ローンの手数料や保証料、引っ越し費用などの諸経費が必要です。そのため、中古住宅購入費用+リノベーション費用の10%〜20%の諸費用が発生すると考えて、資金に余裕を持っていたほうが良いでしょう。

ローンの種類

ローンの種類は、住宅購入費用のための「住宅ローン」、リノベーション、リフォーム工事費用のための「リフォームローン」、住宅購入費用+リノベーション、リフォーム工事費用のための「リフォーム一体型住宅ローン」があります。

これから中古住宅を購入して、リノベーションする予定であれば、「リフォーム一体型住宅ローン」がおすすめです。住宅購入費用とリフォーム費用をひとまとめにして返済できるため、管理もしやすくなります。

「リフォーム一体型住宅ローン」を申し込む際は、リフォーム工事にどれくらい資金がかかるのかなども決めなければならないため、早い段階からリノベーション業者に相談することが重要になります。

中古住宅のリフォームで受けられる補助金と控除

中古住宅を購入してリフォーム、リノベーションするのは、新築に比べると価格は安いものの、それでも大変高額です。中古住宅のリフォームにより、受けられる補助金や控除もありますので、少しでも経済的な負担を軽減するため、ぜひ利用できるものは活用しましょう。

補助金

すまい給付金

消費税率の引き上げにともなう、税負担の増加を軽減するために、住宅を購入した人に現金が支給される制度です。これまでは最高額が30万円でしたが、令和元年に消費税率が10%へ引き上げされたことにより、最高額も50万円に拡充されました。所得などにより、給付される金額は異なります。

すまい給付金が助成される条件には、年収510万円以下(家族構成により異なる)、住宅ローンを利用すること、自分が居住すること、床面積が50平方メートル以上あること、不動産会社が売主の中古物件であること、などがあります。詳細については、すまい給付金ホームページを確認してみてください。

長期優良住宅リフォーム推進事業

耐久性が高く、地震にも強く、省エネ性にも優れており、維持管理しやすい住宅にリフォームする際に、その工事費用の一部を国が補助するという制度です。平成31年度からは、子育て世帯向け改修工事の追加、若者・子育て世帯、既存住宅購入者が工事を行う場合は、50万円/戸の補助限度額の加算へ変更されています。

控除・減税制度

住宅を購入することで、さまざまな控除や減税など、さまざまな税制優遇を受けられます。消費税の増額にともない、控除期間が延長されるなど、幅も広がっています。

住宅購入による税制優遇のなかでも、よく知られているのが「住宅ローン減税制度」(住宅ローン控除)です。毎年末の住宅ローンの残高、もしくは住宅の取得対価のいずれか少ないものの金額の1%が所得税から控除されます。所得税からすべて控除できない場合は、住民税からも一部控除されます。

一戸建て、マンションや新築、中古問わず利用でき、工事費用が100万円以上のリフォーム、リノベーションの場合も利用できます。消費税の増税にともない、2019年10月から、2020年12月31日に入居した場合は、控除を受けられる期間が従来よりも3年間延長され、13年にわたって控除を受けることができます。

中古住宅購入で、住宅ローン控除を受けることができる条件は、個人用の住居であること、引き渡し・工事完了から6ヶ月以内、控除を受ける年度の12月31日までに入居すること、床面積が50平方メートル以上であること、借入金の償還期間が10年以上であること、合計所得金額が3000万円以下であること、などがあるため、注意が必要です。

ほかにも、リノベーションにより、耐震・バリアフリー・省エネなどの工事を行うと、固定資産税や所得税が軽減される制度などがあります。そのため、リフォーム業者に減税対策が可能となるリフォームプランを立ててもらうのがおすすめです。

リノベーションしやすい中古住宅の条件とは?

リフォーム、リノベーションをすることを目的として中古住宅を購入する場合は、リノベーションしやすい住宅を選ぶことが重要なポイントです。リノベーションしやすい中古住宅とは、どのようなものなのか見ていきましょう。

2000年6月以降に建築確認申請をされた家

中古住宅を購入する際は、いつ建てられたのかをしっかりチェックする必要があります。建物が建てられた建築年月日から、建設された当時の「建設基準法」が分かり、耐震性がどれくらいあるのかを判断する基準になります。住宅の耐震基準は、1981年と2000年の建築基準法の改正により、木造住宅に必要な耐震性能が大きく変わりました。

まず、1981年の改正で、新耐震基準が施行されて耐震性の見直しが行われています。続いて2000年の改正では、基礎形状・柱頭、柱脚、筋交いの接合方法、耐力壁の配置に、高い耐震性が求められるようになりました。そのため、2000年6月以降に建築確認申請された住宅は耐震性が高く、リフォーム、リノベーション時に、耐震工事を行わなくてもよいケースが多く、コストを抑えることができます。耐震補強工事は高額なものが多いため、2000年6月以降に建築確認申請された中古住宅がおすすめです。

強い構造が売りのメーカーの家

大手ハウスメーカーなど、強い構造が売りのメーカーが建てた住宅は、建築基準法改正前に建設されたものであっても、耐震基準が高いケースが多いようです。耐震補強工事の費用を抑えたいのであれば、大手ハウスメーカーが建てた中古住宅を選ぶのも、ひとつの選択手段です。

中古住宅を購入してリノベーションする際の注意点と対策

中古住宅の建築確認取得日と、設備の製造年月日は確認しよう。インスペクションを依頼すればより安心な上にリフォームのアドバイスを受けられる

中古住宅を購入してリフォーム、リノベーションすることは、メリットが多い反面、注意したいこともたくさんあります。中古住宅購入後に後悔しないためにも、注意点を理解して、しっかりと対策を行っておきましょう。

構造の見えない部分の状態確認が難しい

中古住宅を購入する際は、外壁のひびや劣化の状態、基礎のひび割れ、室内にカビが発生していないか、雨漏りしていないかなどのチェックポイントがあります。自分の目でチェックしてわかる箇所もありますが、床下のシロアリ被害や木材の腐朽、給排水管の劣化など、見えない部分の状態を素人が確認することはとても難しいものです。場合によっては、リフォーム費用が予算を大きく上回ってしまうこともあります。

構造の見えない部分まで中古住宅の状況を確認する対策として、インスペクション(建物状況調査)を依頼することが挙げられます。専門知識を持つインスペクターに中古住宅を調査してもらうことで、どのようなリフォームが必要になるのか、住宅価格は適正であるかといったことを判断することができるようになり安心です。

間取りの変更ができるつくりか?

リフォーム、リノベーションでは、間取りを変更することはよくあります。中古住宅の構造によっては、希望の間取り変更ができないものもあるため、注意が必要です。

柱や梁でつくる「木造軸組工法」や「ラーメン構造」の建物は、壁を除去したり、動かしたりすることができるため、比較的自由に間取り変更ができ、おすすめです。「ツーバイフォー工法」や、「壁式構造」は、間取り変更に制限がかかることが多いため、注意してください。中古住宅の構造をしっかり確認しておくことで、自由度の高い間取りを実現できるようになります。

瑕疵保険の担保期間が短い場合も

購入前に気づけなかった瑕疵があれば、買主は売主から、保証や修理を受けらる瑕疵担保期間があります。しかし、中古住宅の瑕疵担保期間は、売主が法人の場合は2年間、個人の場合は数ヶ月と短く、なかには一切保証がない物件も存在します。契約書をしっかりと確認しておくと安心です。

住宅ローンを利用できない物件もある

中古住宅を購入して、リフォーム、リノベーションを検討している方のほとんどは、住宅ローンを組むことを前提としています。中古住宅のなかには、住宅ローンが利用できない物件もあるため、注意しましょう。

建築基準法により、建物を建築する土地は幅4メートル以上の道路に、敷地の2メートル以上が接していることが必要です。この条件をクリアしていない場合は、新たに建物を建てることはできません。このことを「再建築不可」といいますが、この「再建築不可物件」だと、住宅ローンが利用できません。

ほかにも、「要セットバック物件」、「建ぺい率・容積率オーバー物件」といわれるものも、住宅ローンが利用できないことが多いため、注意が必要です。

予算やスケジュールに余裕を持つ

中古住宅をリフォームする際は、予想外の工事がプラスで必要になったり、仲介手数料や住宅ローン手数料といった、諸々の諸費用がかかるようになります。また、リフォーム工事期間が延長になったり、住宅ローンの審査結果が出るまでに時間がかかったりと、スケジュールが予定通りに進まないことも考えられます。そのため、予算やスケジュールは十分な余裕を持って、プランを立てるようにしましょう。

中古住宅を購入してリノベーションするまでの流れ

中古住宅を購入して、リノベーションする流れに主に関わるのが、不動産会社、金融機関、リフォーム業者の3つです。しっかりと資金の計画と管理スケジュールをプランニングすることが必要になります。

まず、資金計画を立てて、不動産会社と中古物件探しを行います。住宅ローンを利用する際は、物件探しのタイミングでリフォーム業者を探し、リフォームプランも立てておく必要があります。

物件が決まったら、申し込みをして、同時に住宅ローンの申し込みも行い、事前審査が行われます。その後、売買契約を結び、ローンの本審査に入ります。この時点で、リフォーム業者とも本契約を交わします。

融資実行がなされると、物件の引き渡し、ならびにリフォーム工事の着工となります。リフォーム工事完了後、入居という流れになります。

中古物件購入までに1〜5ヶ月ほどかかり、リフォーム工事完了までに2〜5ヶ月ほどかかることが多いようです。物件探しから入居までは、6ヶ月〜10ヶ月くらいかかるものと考え、余裕のあるプランにしておくようにしましょう。

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