「被爆遺構めぐり」ネット配信 コロナ禍で修学旅行生減少 長崎平和推進協会「学ぶきっかけに」

長崎平和推進協会が公開している動画の一場面

 新型コロナウイルス感染問題で県外からの修学旅行生や観光客が減少している中、長崎平和推進協会(横瀬昭幸理事長)が被爆の実相をネットで広く伝えようと、動画投稿サイト「ユーチューブ」で「ナガサキ被爆遺構めぐり」の公開を始めた。
 同協会は、語り部の被爆者派遣やガイド「平和案内人」による継承活動、平和交流事業などに取り組む公益財団法人。ネットでのこうした取り組みは初めて。平和案内人が被爆遺構を巡る様子を撮影した動画を編集し、同協会のユーチューブ公式チャンネルで公開している。
 3日時点で公開しているのは、爆心地公園(松山町)周辺をテーマとした5分弱の動画。平和案内人の船井サナミさん(66)が、長崎原爆の当初の投下予定地が小倉だったこと、爆心地で発生した爆風や熱線が山に遮られ、浦上川沿いに広がっていったことなどを説明している。
 今後、続編として、被爆クスノキで知られる山王神社(坂本2丁目)や、被爆医師の故永井隆博士が晩年を過ごした如己堂(上野町)、浦上天主堂(本尾町)などをテーマとした動画を公開予定。同協会は「コロナ収束後に長崎に実際に来てもらい、被爆のことを学ぶきっかけになれば」としている。

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