戦争の被害も加害も知って 被爆2世の井原さんが深堀中2年生に講話

「対話で平和な世界をつくることが大切」と呼び掛ける井原さん=長崎市、深堀中

 戦争の被害だけでなく加害の歴史も知ってもらおうと、県被爆二世の会幹事の井原俊也さん(57)がこのほど、長崎市深堀町1丁目の市立深堀中(平野哲也校長)で講話し、戦時中に現在の同市香焼町にあった福岡俘虜(ふりょ)収容所第2分所について話した。
 同校の平和学習の一環。第2分所跡地では2015年、命を落とした捕虜らを慰霊する追悼碑を市民有志が建立。井原さんも建立に向けた活動に携わった。
 2年生約30人を前に、井原さんは、同分所には最多時でオランダ人など外国人捕虜ら約1500人が収容され、強制労働などに従事させられた歴史を紹介。「被害だけでなく加害の歴史を正しく認識する。そして武力ではなく、対話によって平和な世界をつくることが大切だ」と呼び掛けた。
 講話を聞いた中村拓人さん(14)は「香焼に収容所があったことは知っていたが、ここまで深い歴史があるとは知らなかった。平和な世界のためには、相手への思いやりが大切だと思った」と話した。

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