「損切り」の目安はどう決める? 元証券ディーラーが語る「売買ルールづくり」

元証券ディーラーで現在は個人投資家のたけぞうさんは、損切りについてどう考えるでしょうか。著書の『50億稼いだおっさんが教える 月5万稼ぐ株投資』(ぱる出版)より一部抜粋してお届けします。


できないひとのためのシンプルな損切りルール

投資では利益を上げていくには、いかに損を抑えるか、リスク管理が大事です。最大のリスク管理法は損切りです。損切りは損が出ている株を売却して損失を確定させることをいいます。そのまま保有していたら、損失額が膨らむと判断して、損失額が少ないうちに売却してしまうのです。

誰もが損切りの重要性は知っています。しかし、実際にできるかというと、とても難しいものです。

自分が上がると信じて買った株が下がったら、ショックを受けても当然です。

そして、「持っていればまた上がる」と希望を抱くのも無理からぬことと思います。

特に自分が興味を持った銘柄で業務内容や、業績を自分なりによく調べて納得して買った銘柄となると損切りが遅れたり、なかなか損切りできなかったりするものです。

そこでグズグズと引っ張ってしまうと結局は売るに売れず、いわゆる塩漬けになってしまうこともあります。

ではいくらぐらい損が出たら、損切りが必要でしょうか?

よく株価の10%下がったら損切りといいますが、そうとは限りません。その人の資金力によるからです。なかには100万円の資金が50万円になっても構わないという人もいます。

自分自身の許容範囲内で決めればいいでしょう。2万円以上損したら、耐えられない人は2万円、5万円まで大丈夫なら5万円というように決めていくのです。もちろん、10%を損切りの目安にしてもかまいません。ただ、どのように決めたにせよ、損失額が大きくなるとそれを取り戻すのは大変だと思ってください。

損切りを決めたら、ルールを必ず守りましょう。例外をつくってはいけません。株価が損切り額まできたら、損を認めて、潔く撤退しましょう。

損切りした銘柄の、その後の株価を見続けるべき理由とは?

損切り後に、その銘柄の株価がどのように動くかをチェックしない人が、かなりいます。早く損を忘れたい、損切り後に上がっていたら悔しい……などなど、理由はいくつかあるでしょう。

しかし、損切り後に株価をチェックしないとせっかくのチャンスを逃してしまうこともあるのです。

自信があって買った銘柄なら、下がった理由を考えてみます。理由によっては、再度購入して、儲けられるチャンスがあるからです。

理由が業績悪化なら、なかなか株価は上がらないかもしれません。

しかし、高値でつかんでしまった、買い残が多く、需給が悪かったなど業績とは関係がない理由で下がってしまったのなら、下落から上昇へ転じる可能性があります。

ローソク足が下落から横ばいになって上昇に転じたあたり。ここで買って上昇すれば損を取り戻せる理想的なシナリオになります。

とはいえ、少し上がって再び横ばい、あるいは下落というケースもありますから、要注意です。

利確したあとも、その銘柄の動きをチェックしましょう。押し目買いができるチャンスがあるからです。

上昇を続けてきた銘柄は出来高も増えています。するとまとまった利確売りが出て、株価が一時的に下落することがあるのです。これを押し目といいます。

売りをこなしながら、上昇していきますから、押し目で買えばまた利益を出せる可能性が高いのです。

損を拡大させないためのシンプルなナンピン・ルール

株価が下がり、損失が増えてくるとナンピン(難平)買いをしたくなるかもしれません。ナンピン買いは保有している銘柄の株価が下落したときに買い増しをして平均単価を下げるという手法です。

1株、株価1000円で買った銘柄が800円に下がったとき、もう1株買い増しをします。すると1株の単価は1800円÷2=900円になります。これがナンピンです。

しかし、ナンピンにはリスクがあります。ナンピン後、株価が上がればいいのですが、さらに下落すれば損失もさらに増えます。それに損失を抱えているというメンタルはあまりよいものではないと思います。

ナンピンより、むしろ一度、損切りをして、下落から上昇を始めたら、再度、エントリーすることをお勧めします。

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