鷹・栗原、開幕スタメンならどこで出る? 工藤監督が明かした起用プランの一端

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:藤浦一都】

可能性が高いのは一塁手か左翼手、この先の競争と結果次第か

ソフトバンクの工藤公康監督にとって、嬉しい悩みとなるだろう。期待の6年目である栗原陵矢捕手の存在だ。3日に行われたオリックスとの練習試合で3安打1打点、そして4日の同戦では京セラドームの5階席に突き刺す特大弾を含む2安打1本塁打。紅白戦でも結果を残しており、連日の大活躍で開幕スタメンへと着実に前進している。

栗原をスタメンで使う上で、問題となるのがポジションがどこになるか、というところだろう。本職は捕手だが、紅白戦や練習試合でも一塁手や外野手で出場している。果たして、どこでの起用になるか。工藤監督は4日の試合後、その答えの一端を明かしている。

最も可能性として低いのは捕手である。正捕手には甲斐拓也がおり、経験も、武器であるスローイングを含めた捕手としての総合力も栗原はまだ及ばない。打撃に優れるからといって、栗原が開幕マスクを被ることはまずないだろう。工藤監督も、この日のセカンド送球を「セカンドに投げるボールがショートバウンドなんで……」といじりつつ「どうしても拓也と比較してしまうところもある。開幕すぐというわけにはいかないですね。試合に慣れたり、開幕は独特だったりするので、拓也がいくのがいいと思います」と語っており、その可能性を否定している。

4日の練習試合では京セラドーム5階席に届く本塁打を放ったソフトバンク・栗原陵矢【写真:福谷佑介】

外野は助っ人2人が来日できずチャンス、一塁ではベテランの内川や明石、川島らがライバルに

自ずと栗原に可能性が出てくるポジションは一塁か外野ということになる。幸か不幸か、ソフトバンクはデスパイネとグラシアルというキューバ人助っ人2人が新型コロナウイルスの影響で再来日できないでいる。バレンティンを指名打者で起用するとなれば、左翼、そして一塁、右翼のポジションを狙えることになる。

その中で右翼手は目下、7年目の上林がアピールを続けている。かつては侍ジャパンメンバーにも選ばれており、走攻守の三拍子揃った選手である。現時点で順調にいけば、右翼の筆頭候補は上林だ。となると、栗原の起用プランとして残るのは左翼手か一塁手になる。

一塁ではベテランの内川聖一や明石健志、川島慶三、左翼にもベテランの長谷川勇也や韋駄天の周東佑京らが顔を揃える。この面々との競争となるが、これまで工藤監督は「みんなに結果で判断させてもらうと伝えています」と語っている。紅白戦や練習試合の結果を開幕スタメンを決める最優先事項としている。

少なくとも、ここまでの試合で栗原以上の結果を残している選手はいない。アピール度合いはチームでもピカイチだ。一塁なのか、左翼なのか。それはここからの競争が鍵を握る。ただ1つ言えるのは、栗原陵矢の名前が開幕戦のスターティングラインナップに並ぶ可能性がどんどん高くなっているということだ。(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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