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マンハッタン

警察と市民、一触即発 抗議活動で逮捕者続出

先月25日にミネソタ州ミネアポリスで起きた、黒人男性の死に対する抗議活動に、27〜28日の夜にかけてニューヨーク市内で数千人が参加。少なくとも300人近い逮捕者が出た。先月28日付NBCニューヨークが伝えた。

死亡したジョージ・フロイドさんの首を膝で抑えつけた警官(当時)、デレク・ショービン被告が第三級殺人および過失致死罪で逮捕、起訴されたわずか数時間後には、抗議活動が全国に広がった。

ニューヨーク市では先月28日午後から、ユニオンスクエアに集まった群衆が、警察の暴力に対抗するスローガン「息ができない」を唱えていた。

NYPDは翌29日の夜だけで、少なくとも200人近い逮捕者を確認。中には、パトカーに火炎びんを投げつけた後に拘留された女性2人がおり、シア警察委員長によると、女性らは殺人未遂に問われている。

NYPDは他にも、逮捕した参加者から、銃器、レンガ、ナックルなどを押収している。

また、この抗議活動中に大柄な男性警官が小柄な女性参加者を突き飛ばし、女性が脳しんとうを起した。この瞬間を収めた動画が、一晩で約600万回近く再生された。突き飛ばした警官に対して現在、NYPDによる調査が行われている。


マンハッタン

過熱する抗議活動 NY市長の娘も逮捕

先月25日にミネソタ州ミネアポリスで黒人男性が白人警察官から暴行を受けて死亡した事件を受け、全米に広がった抗議活動は先月30〜31日の週末にかけてさらに過熱した。1日付PIX11が伝えた。

先月30日夜、マンハッタン区ユニオンスクエア付近では、ビル・デブラシオ市長の娘キアラさん(25)が抗議活動中に逮捕された。

同市長は1日の記者会見で、「キアラさんが参加していたことを知らず、メディアからの問い合わせで逮捕を知った」と述べた。

また、抗議活動に便乗した店舗破壊、窃盗などの犯罪行為に、警察が催涙ガスで対抗するなど、警察との対立が先鋭化した。これを受けニューヨーク州知事と同市長は、1〜7日まで午後8時(初日は11時)から翌朝5時にかけての、夜間外出禁止令を発令した。


コネティカット

州警察が大学生逮捕 2人殺害で他州へ逃走

2件の殺人および家宅侵入、誘拐の容疑者であるコネティカット大学の男子学生が先月27日夜、4州にまたがる捜索を経て、メリーランド州ヘイガーズタウンで州警察に逮捕された。逮捕時に容疑者の抵抗はなく、負傷者は出なかった。同28日付NBCニューヨークが伝えた。

ピータ・マンフレドニア容疑者は先月22日、コネティカット州ウィリントンで2人の男性を負傷させたとされている。うち1人の男性は病院に搬送途中に死亡し、警察は死亡原因を殺人と断定した。

同24日、マンフレドニア容疑者はウィリントンの住宅に侵入し、銃と住民の車を盗んだとされている。同日、警察が同州ダービーの住宅で、同容疑者の知人である男性の銃殺死体を発見。同居していた男性の交際相手も誘拐されたが、同日中に発見された。その後、ニュージャージー州とペンシルべニア州でも容疑者の痕跡が確認されていた。

同容疑者の家族の弁護士によると、同容疑者はここ数年間、精神障害に悩んでいたという。


マンハッタン

パーティー中に4人負傷 公園の大木の枝が落下

マンハッタン区アッパーウェストのリバーサイドパークで先月27日、大木の枝が折れ、4人が頭や腕などを負傷し病院に運ばれた。同日付デイリーニュースが伝えた。

西91ストリート付近のアッパーウェストサイド公園で午後6時すぎ、およそ75フィートのスパニッシュオークの幹から伸びて朽ちた50フィートほどの枝が折れて落下。女性3人と男性1人がけがを負った。

救急隊員が4人を聖ルカ病院に搬送し、54歳と48歳の女性が頭部を、55歳の女性は腕と頭を負傷した。また53歳の男性は、腕にけがを負った。4人の命に別状はない。

けがをした4人は、友人の50歳の誕生日を、彼らを含む7人で祝っていたという。折れた枝は公園のベンチの上に倒れてきて、誕生会を開いていたグループの椅子2脚も破損した。

公園局のダン・カスタニス広報担当者は、「今後、枝が折れた原因を究明するために大木を全面的に点検する予定。けがを負った人々がはやく回復することを願っている」と話した。


ブルックリン

ホームレスの男逮捕 1万ドル相当を盗む

先月26日、ブルックリン区ベッドフォード=スタイベサントで、新型コロナウイルス感染症患者の治療を行っている医師から1万ドル超相当の所持品を盗んだ、ホームレスの男が逮捕された。NYPDの発表を受け、同27日付PIX11が伝えた。

ロナルド・ルイス容疑者(29)は先月23日午前9時ごろ、アトランティックアベニューに面したブルックリンホテルに宿泊中の、女性医師の部屋に侵入。1万1000ドル相当の洋服と宝石を盗んだ。

医師はテキサス州在住で、ニューヨーク市内で同感染症患者の治療を支援するため、同ホテルに滞在していた。

医師は同23日午後10時半ごろホテルに戻り、所持品が盗まれたことを警察に通報。NYPDは監視カメラの映像を公開し、容疑者を追跡した。当初、容疑者は長い髪から女性とされていた。NYPDによると、ルイス容疑者は強盗、不法侵入、器物損壊罪、盗品の不法所持の罪に問われる。


スタテンアイランド

日焼けサロンが強行営業 ガイドライン無視で再び閉店

スタテンアイランドのグレートキルズ地区で先月28日、ニューヨーク市の経済活動再開ガイドラインに背いて営業を再開した日焼けサロンが、開店してまもなく閉店した。同日付ABC7ニューヨークが伝えた。

同店の経営者ボビー・カトーネさんは、「警察が召喚状を出し、身柄拘束と営業許可取り消しを警告したため、閉店の指示に従った」と語った。カトーネさんは営業再開に先立ち、「全てのビジネスは必要不可欠」と書かれた幕を同店舗の前面に掲げ、数十人と共に経済活動停止についての抗議活動を行った。

カトーネさんは、「同地区は米疾病予防管理センターが求める経済活動再開の基準をすでに達成しており、再開が許可されるべきだ」と主張。

ニューヨーク市のビル・デブラジオ市長は、「市当局は特定地区での例外は認めない」と述べ、市の経済活動停止・再開のガイドラインに従うよう求めた。

市長は先月28日、「市内での活動再開の第1段階が始まるのは、1〜2週間後になるだろう」と、述べている。


マンハッタン

「犬のひも」巡り人種差別 注意した黒人男性を通報

マンハッタン区セントラルパークで先月25日朝、黒人男性から飼い犬にひもを付けるよう求められた白人女性が警察に通報し、人種差別問題に発展した。同28日付NBCニューヨークが伝えた。

同公園内の「ランブル」と呼ばれるエリアでバードウオッチングをしていたクリスチャン・クーパーさんは、犬に付ける決まりとなっているひもを付けずに散歩させていたエイミー・クーパーさんに注意したところ、エイミーさんが無視。クリスチャンさんはその様子を動画で撮影した。動画内でエイミーさんが、「アフリカ系アメリカ人が私の命を脅かしている」と警察へ通報を数回繰り返した。動画はツイッターに投稿され拡散した。

ニューヨーク市のビル・デブラジオ市長はエイミーさんの言動について、「単純明白な人種差別だ」とツイッターで批判。後にエイミーさんは、クリスチャンさんに対し謝罪した。

エイミーさんの勤務先だった投資顧問会社は、先月26日午後、彼女を解雇している。


クイーンズ

コロナ地区の悲劇 親子3人無理心中か

先月31日の午前11時ごろ、クイーンズ区コロナのアパートの一室で、女性1人と子供2人の死体が発見されたと警察が発表した。同日付PIX11が伝えた。

警察が現場アパートに急行したところ、30歳の女性と10歳および2歳の少年が発見された。3人とも意識がなく、緊急医療隊がその場で死亡を宣告した。

情報筋によると、母親が子供2人を殺害した後で自殺した疑いがあるという。同アパートの前では、死亡した3人の親戚が抱き合い、追悼の意を示した。

近所の住民は、新型コロナウイルスですでに大きな打撃を受けている地区に起こった新たな悲劇に、驚きを隠せない様子だった。


オールバニ

薬局でワクチン投与 州議会で法案可決

ューヨーク州議会上院は先月27日、同州の薬局で新型コロナウイルス感染症のワクチンを取り扱える法案を可決した。同日付amニューヨークが伝えた。

同法案により、アメリカ食品医薬品局が承認したワクチンを、承認から90日後に、資格のある薬剤師が投与できるようになる。ただし、薬剤師によるワクチン投与を許可することが公衆衛生の最善の利益になることを、施行前に州の保健教育委員会が共同で証明する必要がある。

法案を支持するブラッド・ホイルマン議員は声明の中で、「2万3000人以上の住民が命を失い、数百万人が経済的困難に直面している。治療法を見つけるためには、可能な限りのことを行う必要がある」と述べ、ワクチン投与を薬局で広く利用できる重要性を訴えた。

現在開発中の同ウイルスに対するワクチンは、90種類以上にのぼる。


ロングアイランド

新生児奇跡の帰宅 昏睡状態の母親から誕生

ナッソー郡ミネオラで先月27日、新型コロナウイルスに感染して昏睡(こんすい)状態の母親から生まれた子供が退院した。同日付ABC7が伝えた。

妊娠29週目だった母親のアドリアナ・トーレスさん(41)は、4月上旬に昏睡状態に陥り、NYUウィンスロップ病院の集中治療室へ。医師らは母親の状態が安定した8日、帝王切開でリアちゃんを取り上げた。同病院は9日、同感染の患者が663人に達し、ニューヨーク州の「ホットスポット」となったが、幸いトーレスさんは出産2日後の10日に意識が戻り回復した。

体重2ポンド15オンス(およそ1330グラム)だったリアちゃんは、新生児集中治療室(NICU)で7週間過ごし、およそ倍の体重になった先月27日、両親に抱かれて無事退院した。

同病院新生児医学長のナジー・ハンナ医師は、「この7週間は病院やNICUとっても簡単なものではありませんでした。家族がくぐり抜けた戦いは、この国の多くが経験したものを要約します」と、リアちゃんの退院を祝福した。


マンハッタン

電動自転車増加へ 市の再開へ向け準備

ニューヨーク市が6月8日の経済活動第一段階の再開に向けて準備する中、バイクシェアサービスの「シティバイク」は、電動アシスト自転車の台数を増やすと発表した。先月31日付ゴッサミストが伝えた。

昨年、ブレーキの不具合で一部のサイクリストが投げ出される事故を受け、同バイクは電動アシスト自転車全1000台の利用を一旦中止。ブレーキの改善後、今年2月に再導入を開始した。同バイクが保有する自転車の3分の1を電動アシスト自転車にしていく方針だ。

同バイクが利用可能な地域も、駐輪所を現在の市内5区900カ所から拡大し、保有台数も現在の1万4500台の3倍に増やしていく予定。先月には、マンハッタン区ハーレムとブロンクス区にも駐輪所が設置された。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、同バイクの利用者は4月に前年同月比で6割減になるなど、大幅に減少したが、先月に入ってから、徐々に利用者が戻りつつある。


ロングアイランド

ドライブシアター コロシアムに設置

先月29〜31日にかけての週末、ロングアイランドのナッソー・コロシアムの駐車場にドライブインシアターが設置され、家族連れが人気アニメ映画「トロールズ」を楽しんだ。同27日付パッチが伝えた。

同施設には巨大LEDスクリーンが設置され、音声は同郡ホフストラ大学ラジオ局との提携により、カーステレオから流された。食べ物やノンアルコール飲料を販売する屋台の他、トイレと除菌ステーション複数も設置された。

同施設では、4日から別の作品も上映しており、7日まで開催される。


ニュージャージー

7月から卒業式が可能 州知事発表に学生ら喜ぶ

先月26日、ニュージャージー州のフィル・マーフィー知事は、高校と大学の本年度の卒業式が、7月6日から屋外で開催可能になるとツイッターで発表した。同日付CBSニューヨークが伝えた。

同知事はこれに先立つ数日前、屋外での集会が可能な人数の上限を10人から25人に増やす、州知事命令に署名。ただし、社会的距離を保持する方針は継続される。したがって、卒業者数が多く、社会的距離の保持が難しい場合は、数回に分けて卒業式を開催する可能性もあるとしている。

同知事は、「出席者全員の健康と安全を保証するためにこうした措置が必要だが、今年の卒業式が一生忘れ得ない方法で行われることも確かだろう」と、述べた。

同州ユニオン郡は保護者に対し、オンライン卒業式開催の可能性について、アンケート調査を行っていた。また、同州エセックス郡グレン・リッジ高校の生徒らは、卒業式開催および級友に再会できる喜びを、地元メディアに語った。

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