抗議デモがアメリカ全土から世界へと拡大…“人種差別”についてEXITが考えることは?

ABEMAがニュース番組『ABEMA Prime』を平日夜9時より毎日生放送している。

2020年6月4日(木)夜9時からの放送では、新型コロナウイルスの感染防止のため、スタジオ出演者の間にアクリル板を設置し、番組MCを務めるお笑いコンビ・EXITのりんたろー。と兼近大樹、進行を務めるテレビ朝日・平石直之アナウンサー、アイドルグループSKE48 の元メンバーでフリーアナウンサーの柴田阿弥以外のコメンテーターが自宅や職場から“テレワーク”で出演した。

■抗議デモがアメリカ全土から世界へと拡大…“人種差別”についてEXITが考えることは?

兼近、問題意識の芽生え告白「人種差別は過去のことって刷り込んでたけど、ちゃんと考えないと」

番組では、先月末にアメリカ・ミネソタ州で起きた白人警察官による暴行で黒人男性が死亡した事件を発端に、人種差別への抗議デモがアメリカ全土から世界中へと拡大していることに触れ、各地のデモの様子や“黒人差別”の背景を振り返りながら、人種差別について議論した。

番組冒頭、りんたろー。は「差別っていうのは社会の中で無数に存在していると思う。その中でアメリカを代表する差別が黒人と白人。でも黒人社会の中にも、差別はあると思う。閉鎖的な社会の中で、自分より下の人間を見つけることによって安定させてるというか。だから、ある種これをグローバル化するというか、外に向けて解放していくことが必要なのかなと思いました」と話した。一方、兼近は「僕はたぶん、人種差別的なことに生まれてから関わってきたことがないんですよ。分かりやすいものが近くになかったっていうので、映画とか本とかでそういうのがあるんだっていうのを学んだ。それは“過去のこと”っていう意識で刷り込んでたんですけど、実際にこういうの見ると、もうずっと続いてて、今もなお、それがあるものなんだっていうのを見せつけられて。これはちゃんと考えないといけないなって。今回の件で思いました」と、人種差別に対する意識の変化を打ち明けた。

また、エッセイストの小島慶子さんは「これを見てる人の中には『ああ、日本って人種差別がないから良かった』って思ってる人もいるかもしれないんですけど、日本の中でも今いろんな外国の方がいらっしゃるし、異なる人種の人もいるので、自分が全然差別している気はないけれども、例えば肌の色のことを言ってしまったり、その人の見た目で先入観で物を言ってしまったりすると、言われた側にしては差別されたことになっちゃうんですよね」と警鐘を鳴らし、「人種差別ってああいう苛烈な暴力とか、すごいひどい差別だけじゃなくて。自分と違う人に対して、無意識にやっちゃうことの積み重ねが、実は、(差別を)されている人を追い詰めてしまうということを日本にいる人も知っておいた方がいいかなと思います」と、持論を述べた。

■三重県が全国初の“アウティング禁止”条例制定に

りんたろー。「ゲイであることを隠して働く友達が沢山いる。LGBTの人が生きにくい世の中は息苦しい」

また、番組では人種差別の問題から、LGBTへの差別問題へと議論を展開。三重県が全国初の「他人の性的指向・性自認を当事者の了解なく第3者に暴露する行為」、いわゆる“アウティング”を禁止する条例を検討していることを取り上げ、その線引きや、性的指向、性自認に関する侮蔑的な言動を指す“SOGIハラ”について意見を交えました。りんたろー。は「僕もゲイの友達とかたくさんいるんですけど、僕らと遊んでるときはゲイってことを公表して普通に遊んでるんですけど、社会に戻る時はそれを隠して働いてる。『なんで?それ言ってもいいじゃん』って言うんだけど、『そうやって隠してる方が生きやすいし、言うと生きにくいんだよ』みたいな。そういう現状があるんだなって思いつつも、兼近とはよく話すんですけど、僕たちも体が男なだけであって、“性ってなんなんだろ?”みたいな。分かりやすくLGBTってありますけど、僕らもそんな変わりはないんじゃないかなって。だから、働きにくいとか、生きにくい世の中が存在することはちょっと息苦しいですよね」と、自身の友人とのエピソードを交えながら、率直な思いを吐露。

また、「『こいつオカマだよ』『こいつゲイだよ』というようなことを、『こいつ女だよ』とか『こいつ男なんだよ』って感覚で言っちゃう可能性ってあると思うんですよ。僕の場合、本当にどうでもいいと思ってるんで。“だからなんだ”っていう感覚で生きてるんで。男、女、オカマ、ゲイ、レズとか、全てがどうでもいいって人って、逆に悪気なく簡単に口に出してしまう可能性があるんですよ。そこら辺どうなのかなって」と、疑問を口にした兼近さんに対し、自身もゲイであること公表している一般社団法人fair代表理事の松岡宗嗣さんは「基本的に多くの人が本当の意味でフラットに“どうでもいいものだ”と捉えてる社会であれば、それでいいと思うんですけど」と前置きした上で、「今の言葉の選び方ひとつを取っても、例えば“オカマ”っていう言葉はずっと当事者を差別的に扱う言葉として歴史上使われてきてしまったんですね。なので、やっぱり当事者からすると、“オカマ”っていう言葉を悪気なく言ってる人に対しても、“やっぱりこの人は自分のことを差別的に扱ってるんじゃないか”って思ってしまうんですよね。そういう歴史の上に自分は生きているので。『差別的な気持ち持ってないよ』って言いつつも、差別的なことを言ってしまうという様なことになってしまうので。どういった言葉を使うかを学ぶとか、周りに当事者の人がいるかもしれないって想像するとか、そういったことを“自分は差別的な気持ちを持っていない”という人もぜひ知っておいていただけると、よりみんなが生きやすくなるかなと思います」と、切実な思いを語る。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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