返済義務のない奨学金が見つかる!借入800万の経験から生まれた奨学金マッチングサービス

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奨学金といえば、一般的に知られているのはJASSO(独立行政法人 日本学生支援機構)ですが、全国には返済義務のない給付型奨学金が約1万2000件も存在しているのをご存知でしょうか。

とはいえ、そうした奨学金を見つけて資格条件を満たしているのかがわかられなければ、審査を受けることもできません。

経済的な理由で夢をあきらめる学生や、過大な学生ローンの返済に苦しむ若者などを減らしたいという思いから立ち上がったサービスがあります。


借入800万、毎月7万返済の経験が生んだ「奨学金サービス」

「貸与型奨学金を800万円程度借入しましたが、やっぱり返すのがすごく大変です」そう話すのは、Crono(クロノ)の代表取締役コウ・インロンさん。現在も奨学金を返済中です。毎月重くのしかかる7万円の奨学金返済のことを考えると、やりたいことよりも年収が高いという点を優先して就職活動をしていたといいます。

JASSOによると、学生の2.7人に1人が返済義務のある貸与奨学金を利用。新型コロナウィルスの影響で、アルバイト収入が減ったことにより退学を検討する学生が増えている状況を鑑みると、これからさらに奨学金を借りる学生が増えていくことが予想されます。

コウさんは、多額の奨学金返済を背負い留学ができなかった自身の経験を踏まえ、学生が経済的な理由で挑戦を断念することのない社会にしたいという思いから、自分に合った奨学金を5分で見つけられる奨学金プラットフォーム「Crono My奨学金」を立ち上げました。

返済義務のない「給付型奨学金」が埋もれてしまう理由

そもそも、奨学金には大きく分けて「給付型奨学金」と「貸与型奨学金」の2つの種類があります。

給付型には、返済義務はありません。国や地方自治体・大学・民間財団・民間企業が提供し、多くが給付基準を設けています。

一方、貸与型奨学金には返済義務があり、無利息の「第1種奨学金」と、利息のつく「第2種奨学金」の2つが存在します。どちらにも所得制限があり、第1種は一定以上の成績が求められているため、第2種に比べて審査基準が厳しくなっています。

学生の将来にとって有利なのは返済義務のない給付型ですが、「全国におよそ1万2000件も存在しているものの、大学の掲示板や地方自治体・財団のホームページなどで募集されることが多いため、学生側がその情報を見つけづらいのが現状です」とコウさん。

加えて、給付型は種類が多い上に、奨学金ひとつに対しての募集人数が少ないため、自分で探して申し込むまでの手間を考えると、実際に着手する人は多くないといいます。

とはいえ、返済義務のない給付型を受けられたかもしれないのに、その情報を知らずに貸与型を借りて借金を背負うのは学生にとって大きな損失になります。そのため、同サービスでは見つかりにくい給付型を中心に紹介。

「林レオロジー奨学金いいよねとか、孫正義育英財団は倍率が高いらしいという会話などから、自分たちがおすすめできる奨学金を抽出しています」。受給者目線で奨学金を徹底的に調べつくしたコウさんと奨学金を受給中の学生インターンが、“奨学金ソムリエ”として選んでいるといいます。

奨学金のオールラウンダーに

同サービスを利用するためには、学生はまず名前や生年月日などの基本情報に加えて、大学・学部・学科や専攻を登録する必要があります。また、留学・スポーツ・音楽芸術・研究・起業・社会貢献活動など、チャレンジしたい項目を入力することで、その分野に特化した奨学金も抽出される仕組になっています。登録や検索は無料。広告収入によるビジネスモデルを考えているといいます。

リリース3日目で1500人程が登録。現在も同サービスを利用することはできますが、「次回の奨学金シーズン、2021年1月の正式リリースに向けて精度を上げていきたい」とコウさんは意気込みます。

同社は、このサービスの他に、貸与型奨学金を背負った学生・社会人と奨学金返済を援助してくれる企業を繋ぐマッチングサービス「Crono Job」も運営。現在の掲載求人数は約3500件。すでに奨学金を背負っている人に向けても、その負担を軽減するサービスを提供しています。

奨学金を利用せざるを得ない状況において、情報格差をなくし、経済的な理由で学びをあきらめないようにするためには何ができるか――。開発者自身の経験に基づく奨学金サービスのこれからの展開に期待が募ります。