厚労省から通知「詐欺?」 雇用保険追加給付、記者にも届く

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雇用保険の追加給付に関する確認のため、厚労省から記者に送られてきた通知の一部

 熊日の「SNSこちら編集局(S編)」に、「厚生労働省から突然、雇用保険の追加給付に関する通知が届いた。詐欺と疑う人もいるのでは」といぶかしがる声が届いた。同じような通知は最近、記者にも届いた。

 追加給付のきっかけは昨年、大きく報じられた「毎月勤労統計の不適切調査」。厚労省の調査方法が長年、対象事業所を不当に絞っていたため、雇用保険などが2004年8月以降、過少給付されていた。

 これに伴い、厚労省は昨年秋から、追加給付すべき対象者に通知を出し、振込先などを確認する必要書類の返信を求めている。

 記者は長女が生まれた際に育児休業を取得。04年から05年にかけ、雇用保険の「育児休業給付」と「職場復帰給付金」を受け取っており、追加給付の対象になる可能性があるという。

 厚労省雇用保険課によると、通知の対象者は全国で1860万人に上り、発送は膨大な事務作業。新型コロナウイルス感染症の影響で3月~5月中旬は中断を余儀なくされ、同課は「送付完了は7月上旬までずれ込みそう」とみる。

 追加給付に便乗した詐欺への備えとして厚労省は、正規の発送用封筒や返信用封筒の写真をホームページで公開している。返信先の私書箱の番号も明記され、「届いた封筒と照らし合わせてほしい」と同課。追加給付なので、通知を受け取った人に振り込みを要求するようなことはあり得ないとしている。

 S編には「返信後、いつまでたっても振り込みがないし、国からの連絡もない」との声も寄せられた。

 返信された書類は厚労省でチェック後、該当するハローワークに送られ、そこから追加分が口座に振り込まれる仕組み。同課は「件数が膨大なため、給付まで数カ月かかる場合もある」と説明している。追加の給付額は個人差があるものの、1人千円強の場合が多いという。

 「本来の額を受け取るべきだ」と思う一方で、追加給付の事務処理にも税金が使われていることを考えると、少し複雑な気持ちになった。(太路秀紀)