日用品

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 ハンドソープがない。量販店やドラッグストアを何軒か回ってみたが、どこの商品棚もほぼ空。結局、お目当ての「詰め替え用」は見つからなかった▲新型コロナウイルスの影響で、品によってはいまだに不足する状態が続いている。マスクに始まり、一時期はデマが流れトイレットペーパーも見当たらなくなった。体温計やパスタと感染の推移とともにいろんな物が品不足になった▲子どものころ、第1次石油ショックでトイレットペーパーがなくなる騒ぎがあったのは覚えているが、その後、日用品で不自由した記憶はない。言い方はよくないかもしれないが、お金さえ払えば日用品は手に入ると思っていた▲ところが、コロナ禍で、その常識は一変した。ウイルス対策に役立つ物は貴重になり、生活に必要な物も気付くと消えている。大勢が集う行事は中止や延期が相次ぎ、仲間内で集まって飲み食いすることも「自粛」一色となった▲緊急事態宣言が解除され、規制は徐々に緩やかになってきた。驚くほど閑散としていた夜の飲み屋街にも徐々に人出が戻ってきている▲あって当たり前の物がなくなり、いつもの街の景色が一変する。私たちはここ何カ月かの間に日常の一部を失う体験をした。「新しい生活様式」の中で緩やかだが、日常を取り戻す営みを続けたい。(豊)