「キウイ酒」開発大熊の特産品に いわきに避難の渡辺さん

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「碧のしずく」で乾杯する渡辺さん(右から2人目)や遊佐社長(右)、らもさん(左)ら

 東京電力福島第一原発事故で大熊町から、いわき市に避難している兼業農家の渡辺信行さん(67)が中心になり、町名物のキウイを使ったリキュール「碧(みどり)のしずく」を開発した。将来的に販売も視野に入れており、町の特産品化を目指す。六日、市内郷ケ丘のカフェ「大百笑(だいびゃくしょう)」で試飲会が開かれた。

 渡辺さんは大熊町内で建設業を営む傍ら、三十年以上にわたりキウイを栽培してきた。第一原発から約三百メートルの場所にあった町内夫沢の自宅や畑は中間貯蔵施設の用地となり、国に売却した。「大熊名産のキウイを復活させたい」と、二〇一三(平成二十五)年からいわき市内平中平窪で栽培を再開した。

 生産が軌道に乗る中、昨年秋の台風19号で畑が水没した。いわき市保健所の検査を受け、加工食品としての使用は問題ないと分かった。有志の協力を得て、二本松市の「人気酒造」での製造が実現した。楢葉町出身の漫画家らも(本名・佐藤かさね)さん(22)がラベルをデザインした。

 三百ミリリットル当たりで果肉を約百五十グラム使い、キウイ本来の甘味とさっぱりとした飲み口が特徴という。

 渡辺さんは「キウイの魅力を多くの人に知ってもらい、浜通りを産地にしたい」と願う。人気酒造の遊佐勇人社長は「被災地の特産品づくりに貢献できうれしい」と語った。

商品化を目指す「碧のしずく」