コロナから再度考える命の問題(部谷翔大・山口市議会議員ブログ)

山口市議会議員の部谷 翔大(へや・しょうた)氏が自身のブログで、新型コロナウイルス感染症でなくなった人数と、白血病や自殺でなくなる人数のデータを挙げ、「命の危険にさらされている方々のことを考えてほしい」と訴えています。

部谷氏のブログ全文は以下の通り。

コロナから再度考える命の問題

人は自分が死ぬかもしれない。自分が対象者になるかもしれないという数が多ければ多いほど社会課題となり騒がしくなる。しかしそうでない場合。自分が対象者になるかもしれないという数が少なければ少ないほど、社会課題としては噴出せず無関心になってしまう

 

この度のコロナにより亡くなられた方は894人(6月2日現在)

亡くなられた方々には心よりご冥福をお祈り致します。

コロナ死者数の人口比

さてここからは亡くなられた方々を冒涜する話ではなく、冷静な結果論から言えば894人の方が亡くなられたコロナ。人口のパーセンテージで考えると0.000007%である。10万人あたりでいくと0.7人。

しかし世の中は狂騒状態となった。

皆様分かりきっていることであるが、結論から言うと人は自分が死ぬかもしれない。自分が対象者になるかもしれないという数が多ければ多いほど社会課題となり騒がしくなる。しかしそうでない場合。自分が対象者になるかもしれないという数が少なければ少ないほど、社会課題としては噴出せず無関心になってしまう。

 

コロナ死者数との対比

ここでデーターを見ていただきたいのですが、

7,900人  人口10人に対し6.3人(2009年)
19,959人 人口10万人に対し15.9人(2019年)

このデーターは年間日本で白血病で亡くなられる患者の数と下が自殺者数である。再度比較

コロナ死者数 894人    10万人あたり0.7人
白血病死者数 7,900人   10万人あたり6.3人
自殺者数   19,959人  10万人あたり15.9

で結論で述べたとおり当事者になる可能性が低い、白血病、自殺者は大きな社会課題となっているか?悲しいかな私は否と考えている。

 

白血病の骨髄移植問題

まず白血病であるが、詳細は当方のブログ(骨髄バンクドナー 現実は半分が移植に至らず)もご覧いただきたいが、白血病は骨髄移植をすれば治る可能性のある病気である。
現状、白血病治療の為の骨髄移植に関しては約95%程度移植可能なドナーが見つかる。しかし残念ならが実際の移植率は半分程度である。
その移植に至らない理由はいくつかあるが、多いのは仕事を休めないという理由で提供が実現しないという現状がある。

何故か。会社が休ませてくれない。仕事を休むと給料が減るなどが理由として挙げられている。

しかし現状国においては制度として、休業を補償する制度はない。そこで骨髄提供によって仕事、会社を休むときの金銭補償を行政がすべきと山口市議会で提案したものの、国がやるべきという答弁を頂いた。。。

 

※骨髄バンクについて漫画で分かりやすくまとめてある日本骨髄バンクサイト

 

LGBTの自己肯定感の低さからくる自殺・鬱の問題

次の自殺者。自殺の理由は多岐に渡るが、今回はLGBTの当事者についてである。

(LGBTについては過去にいくつか記事を上げているのでぜひご覧下さい。LGBTとは人権問題つまり命の問題 地方のLGBTの実情 その一 〜なぜノンケ議員がLGBT活動に取り組むのか〜 )

LGBTの当事者は自己肯定感が弱く、具体的な数値で見るとゲイ、バイセクシャルの方で自殺を考えたことのある人は65%、自殺未遂は14%。また、4割から5割の方が抑鬱傾向であり、他集団に比べると抑鬱が約2倍ほど高い割合。つまり自殺者の中には多くのLGBT当事者が含まれている可能性が高い。そうしたこともあり、山口市も教育現場で取り上げ、当事者の方たちにLBGTでもいいんだという正しい知識を与え、当事者以外の子供達にもLGBTを差別しない心をはぐぐませる必要がある。またパートナーシップ制度(当事者の方たちが婚姻の相当する権利を与える制度)の制定等を市に訴えてきました。結果としては市の記入用紙に性別欄がなくなる。市の人権フェスティバルでLGBTについての講演をする程度でまだまだ進んでいないのが現状である。

 

 

 

※LGBT当事者の山口で暮らす現状をテーマに毎日新聞で連載

コロナで命の危険に晒された今だからこそ、今命の問題に直面している方たちに目を向けよう。

上記の事から何がいいたいかと言うと、白血病、LGBT(自殺者)は多くの人が毎年亡くなられているのに、自分がなる可能性があるという当事者意識が大多数に皆無で、中々そうした人たちを救う手立てが進まない。(骨髄ドナー休業支援、パートナーシップ両方共ほとんどお金がかからないのに。)一方で結果として894人しか亡くなっていないコロナ対策などには莫大な予算を割いている。コロナ対策を否定する気はまったくない。それどころか、市や国は対策としては成果を出していると言っていいかもしれない。

しかし同じ生命の問題だからこそ、自分たちや家族が当事者になる問題以外にも目を向けてほしい。考えてほしい。

自分たちの命が危険に晒された今だからこそ、その他の命の危険に晒されている方々の事を考えてほしい。

そうした思いを持って山口市には引き続き訴えていこうと思います。

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