フォーミュラE:eスポーツ最終戦でバンドーンが逆転タイトルを獲得。優勝はニッサンのローランド

 ABBフォーミュラE選手権のeスポーツシリーズ『ABB FormulaE Race at Home Challenge(ABBフォーミュラEレース・アット・ホーム・チャレンジ)』の最終戦が6月7日に行われ、オリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)が優勝し、ストフェル・バンドーン(メルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチーム)が逆転でドライバーズチャンピオンを獲得した。

 第7戦が行われた翌日、6月7日にダブルヘッダーで開催されたレース・アット・ホーム・チャレンジ最終戦は、ドイツ・ベルリンのテンペルホーフ空港跡地に舞台を移し、レースで獲得できるポイントはダブルポイントとされた。

 予選ではニッサン・e.ダムスのローランドが速さを見せポールポジションを獲得、ポイントランキングトップのウェーレインが2番手に続いた。3番手、4番手にはこちらもチャンピオンシップを争うバンドーンとギュンターがつけたことで、最終戦は熾烈な争いが繰り広げられることが予想される。

 迎えた決勝レースのスタート、ポールポジションのローランドは見事な蹴り出しでトップをキープして1コーナーに進入する。

レース・アット・ホーム・チャレンジ最終戦決勝レーススタートの様子

 その後ろではウェーレインとバンドーンが横並びとなるがウェーレインが2番手を死守。4番手スタートのギュンターは、1コーナーの進入でエドアルド・モルタラ(ベンチュリ・フォーミュラEチーム)に弾き飛ばされてしまい、アウト側へと追いやられてしまった。

 しかし、1~2コーナーにかけて中段勢で接触が相次ぎ、巻き込まれてしまったウェーレインがまさかのスピンを喫してしまう。ギュンターはこの混乱に乗じて3番手にポジションを回復する。

 1周目終了時の順位はトップがローランド、2番手バンドーン、3番手ギュンターと続き、4番手にはセバスチャン・ブエミ(ニッサン・e.ダムス)がつけた。スピンをしてしまったランキングトップのウェーレインは17番手でオープニングラップを終えている。

 首位を走行するローランドは2番手におよそ2秒の差をつけ順調にレースを進めていく。一方、後方に沈んでしまったウェーレインはすぐさま反撃を開始、4周目には12番手までポジションを上げてくる。

 その後ローランドはそのまま危なげない走りでトップフィニッシュ、レース・アット・ホーム・チャレンジ2勝目を獲得した。2位にはバンドーンが続き、ギュンターが3位という表彰台となった。

レース・アット・ホーム・チャレンジ最終戦を制したオリバー・ローランド(ニッサン・e.ダムス)

 ランキングトップのウェーレインは追い上げを見せ最終的には9位でフィニッシュ、4ポイントを獲得した。しかし、2位でフィニッシュしたバンドーンがダブルポイントで38ポイントを獲得しランキングは逆転、レース・アット・ホーム・チャレンジのチャンピオンを獲得した。

 記念すべき初代王者に輝いたバンドーンは、「レース・アット・ホーム・チャレンジで優勝できて本当に嬉しい。タフな1日だったし、スタートはとても混沌としていた」と語った。

「スタートはアウト側のパスカル(ウェーレイン)と並べて良かったんだけど、2コーナーで後ろから接触されてしまって、彼はスピンしてしまった。コース上でバトルができていれば良かったんだけど、不運だった。ここ2、3戦はアンラッキーなこともあったので、今回の勝利は当然の結果だと思っているよ」

 なお、バンドーンが所属するメルセデス・ベンツEQ・フォーミュラEチームはチームチャンピオンも獲得しており、バーチャルながら初のタイトル獲得となった。また、シムレーサーやゲーマーたちで争われるチャレンジグリッドではケビン・シギーがタイトルを獲得し、フォーミュラEマシンを現実でテストドライブするチャンスを手に入れている。

レース・アット・ホーム・チャレンジ最終戦を2位でフィニッシュし、逆転でチャンピオンを獲得したバンドーン
レーススタート直後にスピンしてしまったウェーレインは挽回を見せ9位フィニッシュ。しかし惜しくもランキング2位となってしまった

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