LIXIL瀬戸社長、改めて水まわりと建材への集中語る

LIXILグループ(東京都江東区)は6月9日、ホームセンター事業を手がける子会社のLIXILビバ(埼玉県さいたま市)の同社所有株式全てをアークランドサカモト(新潟県三条市)に売却すると発表した。LIXILグループの瀬戸欣哉社長は、改めて水まわりと建材への事業集中の姿勢を示した。

LIXILグループはLIXILビバの株式の53.2%、2336万7300株を保有している。1株当たり2423円、全株を計566億1900万円で11月にアークランドサカモトに売却する。またアークランドサカモトは1株当たり2600円でTOBを行い、LIXILビバを完全子会社とし、2021年に持ち株会社を設立する予定としている。LIXILビバ株取得にかかる費用は、前述のLIXILグループからの約566億円も含め、約1085億円。

6月9日に行われた説明会でLIXILグループの瀬戸社長は、LIXILビバへの愛着を語ったうえで、「LIXILビバを運営するということは店舗に投資が必要となる。メーカーとしてどこに投資するかとなれば、ウォーターテクノロジー(水まわり)とハウジングテクノロジー(建材)に投資する」と述べた。LIXILグループではカーテンウォール事業の子会社のペルマスティリーザの売却も5月に決定。さらなるグループの有力企業の売却で、コア事業への集中を改めて印象付けた。

アークランドサカモトとLIXILビバの新会社は合計で売上高3096億円、営業利益196億円でホームセンター業界5位の規模となる。10年後に売上高5000億円、営業利益400億円と業界トップを目指す。プライベートブランドの強化や物流効率化、スケールメリットの訴求などで、利益率の改善を進める。

ホームセンターの店舗数はアークランドサカモトが38店舗、LIXILビバは100店舗で27都道府県に合計138店舗。商圏もアークランドサカモトは日本海側、LIXILビバは太平洋側が中心で、あまりかぶっていないという。店舗の「ホームセンタームサシ」と「ビバホーム」のブランドは維持する方針となっている。

LIXILグループの瀬戸社長は、水まわりと建材への事業集中への狙いを語った

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