県美術館コレクション121点展示 9月22日まで企画展「くらべてみれば、みえるもの。」

スペイン文学作品「ドン・キホーテ」の文章(右)とアンヘル・リスカーノの絵画を鑑賞する来館者=長崎市、県美術館

 美術作品などの比較や対比に焦点を当てた企画展「くらべてみれば、みえるもの。」が、長崎市出島町の県美術館で開かれている。9月22日まで。
 新型コロナの影響で4~9月に予定していた大型の展覧会が中止になり、独自の企画展を展開。同館学芸員6人が▽「ながれる/とどまる」▽「大きい/小さい」▽「織る/削る」▽「ことば/図像」▽「虚/実」▽「自然/ひと」-の6テーマを設定し、同館コレクション作品約8千点から画家菊畑茂久馬や挿絵画家椛島勝一、写真家東松照明ら15人の絵画や写真、彫刻など計121点を紹介。
 「ことば/図像」では、スペイン文学作品「ドン・キホーテ」を題材に数々の場面を描いた画家アンヘル・リスカーノとサルバドール・ダリの絵画を展示。文学と絵画の関係性や2人の作家の制作意図、創造性などを比較できる。稲葉友汰学芸員は「見比べることで作品の特性があぶり出される。美術の本質を堪能してほしい」と話している。
 同展の観覧料は一般800円、大学生・70歳以上600円、高校生以下無料。なお菊畑の「舟歌」「天河」など6点は同展で、「月光」はコレクション展(一般420円)で鑑賞できる。同館(電095.833.2110)。

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