選手会が89試合制提案も機構側は難色 シーズン開幕の行方は?

ESPNのジェフ・パッサンによると、メジャーリーグ選手会は日本時間6月10日、メジャーリーグ機構に対して89試合制でのシーズン開催、完全な日割り給与、ポストシーズン出場枠の拡大などを提案した。選手会は当初、114試合制でのシーズン開催を要求しており、試合数を減らすことで機構側へ歩み寄る姿勢を示した形。しかし、機構側は本来のレギュラーシーズン最終日である日本時間9月28日以降にレギュラーシーズンの試合を開催することに前向きではなく、交渉が合意に達する可能性は低いと見られている。

ESPNのカール・ラベックによると、機構側は「選手たちの健康面を考慮すると、レギュラーシーズンを9月27日(現地時間)以降まで引き延ばすことは起こりえない。60~70試合でのシーズン開催の可能性は残されているが、サラリー面の問題が依然として解決していない」と話しているという。機構側は日本時間6月9日、76試合制でのシーズン開催と日割り給与の最大75%を支払うことを選手会へ提案していた。

ESPNのジェシー・ロジャースによると、今回の選手会の提案は日本時間7月11日から10月12日までのシーズン89試合制。2020年と2021年のポストシーズン出場枠を16チーム(各リーグ8チーム)に拡大することも盛り込まれている。

また、ポストシーズンを無観客で開催する場合、選手会へ支払われる分配金は最低5000万ドルとしている。これは機構側が選手会へ提案した内容と同じ金額だ。

「ハイリスク」の選手の扱いについては、選手会は選手自身が「ハイリスク」の場合だけでなく、「ハイリスク」の家族と一緒に暮らしている選手がプレーしないことを選択した場合にもサラリーとサービスタイムを保証することを求めている。一方、機構側は選手自身が「ハイリスク」の場合のみに限定したい意向だ。

選手会はさらに、レギュラーシーズンとポストシーズンの両方で試合中継の機能拡大に協力する姿勢を示している。これは試合中のマイク装着など、無観客開催のなかでファンを楽しませる試みが想定される。

この2日間で機構側と選手会の双方が「譲歩」の姿勢を示したものの、依然として両者間には大きな溝がある。もし両者が合意できなければ、最終的にはロブ・マンフレッド・コミッショナーの裁量でスケジュールを決定できるため、関係者のあいだで噂されている「完全な日割り給与での48試合制」が現実味を帯びてくるかもしれない。

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