「朏」…この名字、読めますか? 文字の見た目通り、出たばかりのお月さんの呼び方がヒント

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「朏」…この名字、読めますか? 姓氏研究家・森岡浩氏が日本人の難読名字を紹介します。

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「月出」という漢字2文字の名字ではなく、「月偏に出」と書く1つの漢字である。通常みることのない漢字で、「難読」というよりは「難漢字」といった方がいいかもしれない。

現在の暦は、地球が太陽の周りを回る周期(太陽年=約365日)を基にして作られている太陽暦だが、江戸時代以前の暦は、月の満ち欠けをベースとして太陽の動きも考慮に入れた太陰太陽暦を採用していた。そのため、月の満ち欠けは日常生活と深く結びいており、毎月、月の始めは必ず新月で、15日に満月を迎える。そしてまた次第に月は細くなり、翌月の頭には新月を迎えることになる。

新月の日には当然月は出ない。そして、最初に出た月は細長く、まもなく縦に長い三日月となる。そこから、出たばかりの月=みかづき、ということで、「月偏」に「出」と書いて「みかづき」と読ませているのだ。

現在は、関西から東海・関東にかけて点在しており、とくに愛知県の三河地方に多い。

◆森岡 浩 姓氏研究家。1961年高知県生まれ。早稲田大学政経学部卒。学生時代から独学で名字を研究、文献だけにとらわれず、地名学、民俗学などを幅広く取り入れながら、実証的な研究を続ける。NHK「日本人のおなまえっ!」にコメンテーターとして出演中。著書は「47都道府県名字百科」「全国名字大事典」「日本名門名家大事典」など多数。