5月の県内倒産3件 コロナが起因、確認なし 「通常の経済活動に戻るには相当の時間を要する」

 東京経済長崎支店は9日、5月の県内企業倒産状況(負債額1千万円以上)を発表した。件数は前年同月比1減の3件、負債総額は1億800万円増の2億5800万円。同支店によると、新型コロナウイルス感染拡大に起因した倒産は九州で唯一確認されていないが「通常の経済活動に戻るには相当の時間を要するとみられ、今後、増加の可能性がうかがえる」としている。
 過去10年間で件数は2番目、総額も5番目の低水準だった。同支店は「新型コロナ拡大で、弁護士事務所がテレワークになったほか、破産などの法的手続きを担う裁判所が業務を縮小したことが影響した」と分析している。
 業種別内訳は卸売業、農業、漁業が1件ずつで、理由はすべて「受注・売り上げ不振」だった。負債額は、破産した佐世保市の花き園芸農業会社が、1億8800万円と最も多かった。3件とも従業員は9人以下。新上五島町の卸売業が特別清算した。
 同支社は長崎で倒産が少ない要因について、家族経営で堅実▽金融機関が適切融資▽倒産手続きをする費用がない-などを挙げ「少ないことが一概によかったとは言えない」とした。

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