全体1位はトーケルソンかマーティンか タイガースの決断に注目

今年のドラフトは日本時間6月11日から2日間にわたって行われる。全体1位指名権を持つタイガースのアル・アビラGMは、ドラフト前日に電話でのメディア対応を行わず、全体1位で指名する予定の選手を明らかにしなかった。投手に多くの有望株を抱えるタイガースは、全体1位で野手を指名することが有力視されており、候補はスペンサー・トーケルソン一塁手(アリゾナ州立大)とオースティン・マーティン外野手兼三塁手(バンダービルト大)の2人に絞られたと見られている。

アビラは「我々が誰を指名するか教えることはできない」と語り、候補を1人に絞ったのか、複数の候補をチェックしているのか、といったことについても明らかにしなかった。「ドラフト当日までのあいだにいろんなことが起こり得る。当日になっても、指名は午後7時(現地時間)なのだから、丸1日の時間がある。ドラフト当日に何かが起こり、我々の考え方が変わる可能性もある。先走って『この選手を指名するよ』と教えることはできない。だからこそ、モックドラフトという文化があるのだろう」と指名候補への言及を避けた。

専門家によるモックドラフト(指名予想)では、ほぼ満場一致でタイガースがトーケルソンを指名することが予想されている。しかし、タイガースのスカウト部長であるスコット・プレイスは「多くのモックドラフトは一方的な視点からの予想に過ぎない。何人もの優れた選手がいるのだから、指名する選手を決めるのはモックドラフトに書かれているほど簡単ではない」と語っている。

とはいえ、ケーシー・マイズ、マット・マニング、タリク・スクーバルなど多くの有望な投手を抱えている以上、タイガースの狙いが野手であることは間違いない。なかでも、トーケルソンは2023年まで契約を残すミゲル・カブレラの後継者として理想的な存在だ。モックドラフトのほとんどがトーケルソンの全体1位指名を予想しているのは、こうしたタイガースのチーム事情を考慮した結果だろう。

今年のドラフトは、日本時間6月11日午前8時から1日目の指名(全体37位まで)が行われ、2日目の指名(2巡目から5巡目まで)は日本時間6月12日午前6時にスタートする。全体1位はトーケルソンかマーティンか。タイガースの決断に注目だ。

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