米大リーグの名監督3人が「サイン盗み」で続々解任! どうなる今季? 2017年のワールドシリーズの王者、ヒューストン・アストロズ。この強豪球団が、ハイテク機器を使用して相手のサインを盗んでいた疑惑が浮上し、それを調査していた米大リーグ機構が不正があったと断定。それを受けて、わずか4日間で3球団の監督が解任されるという緊急事態に米球界はもちろん、野球ファン以外の人たちも注目している。

サインを盗んで世界一になれた!?

米大リーグの強豪球団、ヒューストン・アストロズが、ワールドシリーズで王者となった2017年から18年の途中まで、ハイテク機器を使用して相手チームのサインを組織的に盗んでいたことが明らかになり、14日に同球団のジェフ・ルノーGMとA・J・ヒンチ監督が解任された。

アストロズ球団の処分が決まった翌日の15日、ボストン・レッドソックスがアレックス・コーラ監督を解任した。コーラ氏の解任は、2017年にアストロズでベンチコーチを務めていた際に「サイン盗みの主導的な役割を担っていた」とするもの。同氏がレッドソックス軍の監督を務めた2018年、同球団は5年ぶり9度目のワールドシリーズ制覇を果たし、世界一に輝いたが、その際に前年のアストロズと同様の違反が行われていたかどうかを現在も大リーグ機構が調査中だ。

その2日後の17日、ニューヨーク・メッツのカルロス・ベルトラン監督が、選手だった2017年にアストロズのサイン盗みに関わったという理由で、解任された。同氏は今季が監督1年目となる予定で、昨年11月に3年契約を結んだばかりだった。

わずか4日間で名門3球団の監督が解任される異常事態

大リーグ機構はアストロズ球団に対し、リーグ規定最高額となる500万ドル(日本円で約5億5,000万円)の罰金処分と、今年、来年2年間のドラフト1、2巡目指名権剥奪を申しつけた。

解任されたアストロズのヒンチ元監督は、サイン盗みには反対しており、不正に使用されたビデオモニター機器を壊したことが2度あったが、チーム内の不正行為を阻止できなかったと話している。また、一度も試合を指揮することなく監督を解任されたベルトラン氏は、現役時代は同球団のスター選手(通算435本塁打)だった。

昨年11月に米スポーツ・メディア「ジ・アスレチック」の記者が、元アストロズの選手を実名で取材してサイン盗みの暴露記事を掲載し、大リーグ機構が調査に乗り出して事実であったことが明らかになったという、まるで映画のような話だが、このニュースにショックを受けた野球少年たちも多いだろう。

今季は日本から、筒香嘉智(タンパベイ・レイズ)、秋山翔吾(シンシナティ・レッズ)、山口俊(トロント・ブルージェイズ)と3人もの選手がメジャーリーガーとしてデビューする。春キャンプの開始1ヶ月前に3球団の監督が解任される異常事態の大リーグだが、そんなことを払拭するような活躍が期待されそうだ。

2020年1月20日

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