【新型コロナ】市民ら笑顔「待ちわびていた」 横浜市内の市民利用施設に再開の動き

サーモグラフィーを使い、来園者の体温を測る練習をするスタッフ=よこはま動物園ズーラシア

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止していた横浜市内の市民利用施設で、再開の動きが相次いでいる。いずれも感染リスクの低減に向け、「3密」回避の取り組みを徹底。待ち望んでいた市民らに笑顔が広がった。

◆いろんな絵本読めるね 横浜市中央図書館

 市内18カ所の市立図書館は10日、休止していた閲覧フロアへの立ち入りを3カ月ぶりに再開した。各図書館にはマスク姿の市民らが次々と訪れ、手にした本の貸し出し手続きをする姿がみられた。市中央図書館(同市西区)で絵本を選んでいた男児(2)の母親(30)は、「好奇心が高まる年齢になり、いろんな絵本を読ませたいので、再開を待ちわびていた」と笑顔を見せた。

 同館は閲覧フロアのいすを撤去し、滞在時間を30分程度に制限。開館時間は通常通りに戻したが、来館者の密集を避けるため、雑誌の最新号や新聞の閲覧、学習室などは再開を見送った。担当者は「臨時休館から段階的にサービスを再開をし、ようやく閲覧できるようになった。本を読む前と読んだ後は手を洗い感染防止に努めてほしい」と話した。

◆密回避へ「足跡」も 横浜市内の3動物園

 臨時休園していた横浜市内の三つの動物園(よこはま動物園ズーラシア、野毛山動物園、金沢動物園)は11日、約3カ月半ぶりに営業を再開する。ズーラシア(同市旭区)では10日、来園者の体温を測るサーモグラフィーの使い方を練習したり、入園者に間隔を空けて並んでもらうための目印を張ったりと、スタッフが再開準備に追われた。

 ズーラシアは感染症対策として、1日の入園者を当面の間、5千人程度に制限。37.5度以上の場合は入園させない。また密集になるのを防ぐため、ガイドイベントもしばらく中止にする。スタッフが考案した目印は動物園らしく、ペンギンやトラなどの実物大の足跡がデザインされている。

 動物たちにとっても、客を出迎えるのは久しぶり。再開しても音に驚かないよう、1週間前から園内放送を流して慣れさせているという。

 久保良法副園長は「動物たちも来園者を待っている。これまでとは違う形式だが、その中で楽しんでもらえれば」と話した。

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