ルネサス、室内空気質センサ「ZMOD4410」用のAI学習済みファームウェアを提供開始

ルネサス エレクトロニクス株式会社(以下、ルネサス)の室内空気質(IAQ)センサ「ZMOD4410」は、ハードウェアを変更することなくソフトウェア更新によるアップデートが可能なため、センシングシステムを柔軟に設計することができる。アプリケーションごとの固有の環境に合わせて現場でソフトウェアの変更が可能で、臭気や室内環境の指標とされる総揮発性有機化合物(TVOC)を計測する機能をサポートしている。センサ素子には特性の金属酸化物(MOx)を材料としている。出荷時には電気特性と化学特性のテストも行っているため、個々のセンサ性能のばらつきが少なく、長期にわたり供給する際でも一貫した性能を発揮するという。また、不具合の原因となるガス物質のシロキサンに対しても耐性があるため、過酷な用途におけるアプリケーションでも利用できる。これらにより、HVACシステムや換気ファン、トイレの照明、スイッチに内蔵するなど多様なIAQ用途に活用できる。そして今般、ZMOD4410用のニューラルネットワークによる学習済みファームウェアの提供を開始した。同ファームウェアは、ルネサスのe-AI(embedded-Artificial Intelligence)ソリューションを応用して開発された。臭気の学習にニューラルネットワークを活用し、例えばトイレのような密閉された小さな空間でも検知することが可能となり、硫黄系の臭気(トイレの悪臭など)とエタノール系の臭気(消臭剤の香りなど)を区別することが可能となった。これにより、悪臭が無くなれば自動で運転を停止するなど新たな換気システムの開発も可能だ。また、同ファームウェアの更新によりTVOC検出の精度が高まったことから、今までよりも正確にCO2値(eCO2)を推定できるようになった。さらに、同ファームウェアはルネサスの低消費電力マイコンRL78ファミリだけでなく、ルネサスのRX、RA、REファミリや他社製マイコンと組み合わせることも可能だ。

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