県内の海開き判断難しく 「3密」懸念 対策に苦慮 平戸・千里ケ浜は中止

県内主要海水浴場の開設予定(6月9日時点)

 例年なら涼を求めて多くの家族連れらでにぎわう海水浴場だが、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各市町は対応に頭を痛めている。人が殺到すれば「3密」になりかねず、夏本番を控え、感染防止対策を協議しつつ、海水浴場を開設するかどうかの難しい判断を迫られている。
 本紙の調べでは、年間おおむね5千人以上の利用者がいる長崎県内の主な海水浴場20カ所のうち、9日時点で「開設予定」としたのは15カ所。平戸市の千里ケ浜は感染拡大防止の観点から既に開設中止を決め、根獅子については検討中という。南島原市の前浜、白浜は「未定」。東彼川棚町の大崎は「開設する方向だが、時期は未定」としている。
 予定通り開設する海水浴場も明確な基準が存在しないため、感染防止対策は手探り状態だ。新上五島町の蛤浜は7月1日に海開きをする予定。同町の担当者は「コインロッカーやシャワー室の消毒、桟敷席の間隔を空けるなど対策を講じたい」と気を引き締める。諫早市の結の浜マリンパークも開設する方向だが「今後の感染拡大の状況次第」と警戒を緩めていない。
 長崎市の川原は13日から海の家の設置準備に入る。川原を管理する関係者は「売店の席を離すなどして対策を工夫したい。毎年来場者は少ないので、自粛疲れの人たちにとっての癒やしの場になれば」と語る。
 海水浴場の開設を巡っては他県でも判断が分かれている。県は「(開設についての)独自の感染防止対策ガイドラインは今のところない」とした上で、「海の家は飲食店など業種別ガイドラインを参考にして判断してもらいたい」としている。

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