少年法の対象年齢引き下げの是非にカンニング竹山「18歳で選挙権を与えて“大人”という扱いなら、少年法にも適用しないと理屈通らない」

6月8日(月)夜9時からのABEMA Primeで、番組MCを務めるお笑い芸人のカンニング竹山、ジャーナリストの堀潤、進行を務めるテレビ朝日の平石直之、佐藤ちひろ両アナウンサー以外のコメンテーターが自宅や職場から“テレワーク”で出演した。

番組では、2022年から成人年齢が18歳に変更されることに伴った少年法の対象年齢引き下げの是非について、 少年犯罪の加害者と被害者の生の声も伺いながら、“真の更生”や“犯罪の抑止力”の観点から議論を展開した。

特集冒頭、少年法の適用年齢を20歳から18歳へと引き下げる改正案について、竹山が「これは理屈っぽくなるかもしれないけど」と前置きした上で、「人間の成長具合って個人でみんな違うと思うんですけど、選挙権は“18歳から”ってもう与えてますよね。ということは、社会のルールで言うと、選挙の1票って、大人として責任を取らなきゃいけないぐらいの重み。選挙で票を投じることによって、国民の代表を選んでいる。成人年齢を20歳から18歳に引き下げ、選挙権も与えて“18歳から大人”という扱いをするならば、少年法においてもそれを適用しないと色んな理屈が通らないと思う」と自身の見解を述べた。これを受けて、対象年齢の引き下げに賛成の被害者支援センターとちぎに勤務する和氣みち子さんは、「政府の方が選挙権を20歳から18歳に引き下げたということは、成人として見なければいけないのではないか」と同調。また、ご自身も飲酒運転による事故で娘を亡くされた立場から、「私の場合は、加害者が52歳の成人だったので少年法とは違うが、被害者支援の立場からすると、少年犯罪でかなり涙を流して、悔しい思いをしている被害者たちをたくさん見ている。そういう被害者たちの声を代弁したいと思っている」と語った。

一方、反対派の意見として、法務省に少年法改正に反対する声明書を提出したメンバーであり、西鉄バスジャック事件の被害者・山口由美子さんは、「私は事件の当事者で、事件が起きたその場を経験しています。その時、加害者の少年の“辛さ”を感じてしまったんですよね。彼が“辛くてこういうことをやらざるを得ない”と、精神的に追い詰められていたことを感じて。その後もそれはずっと変わらなくて、医療少年院に保護されていた少年の元に面会へ行ったんですけど。そこの院長先生が、被害者と加害者を向き合わせる事が『お互いのグリーフケアとなる』という信念を持っていらっしゃる方で。実際会いに行ったところ、彼は深々と謝ってくれた。普通、被害者と加害者って“罪を犯したから”って謝ってもらえないじゃないですか?私はそれが1番問題だと思っていて。謝ってもらおうと思って行った訳ではないんですけど、直接謝ってもらった事が私は嬉しかったし、『当たり前の事ができていないな』ってことに気付きました。心から謝ってくれた事が伝わったから非常に良かった。少年自身も、医療少年院の中で、それまでの“追い詰められた状況”から、自分の足で立てるような状態に『育て直してもらったのかな?』と思いました」と自身の経験から、今後被害を防ぐために必要なのは、加害者が更生するための“場所”と“教育”ではないかと提言した。

これに対し、黒肌ギャルユニット『blackdiamond from2000』のリーダー兼メインボーカルで、そのカリスマ性から“令和最強のギャル”との呼び声も高いあおちゃんぺは、「少年院に満期入っていた元カレがいるんです。少年院はめちゃくちゃ辛いらしくて。それでもその元カレは更生していないんですよ。なので、皆がそうだとは言わないんですけど、少年院に入って更生できた人って私の周りでは少ないんです。『俺、少年院入ってっから!』みたいな、ただの武勇伝になっちゃてる。だからもっと厳しくして良いと思うし、なんなら13歳、14歳まで対象年齢を引き下げてもいいんじゃないかって。そのぐらいの年齢なら、物事の良し悪し分かりますよね。もっと被害者の気持ちを考えた方が良いと思います。今の日本は、法を犯した方を守るみたいになってますけど、被害者の方を優先して考えるべきだし、甘いこと言ってたら無理だと思います」と指摘した。

この言葉を聞いた和氣さんは「少年院は、自分の犯した罪によく向き合って、検証し、今後どういうことをしなければいけないか考える場所だと思う。よく『少年院や刑務所で償いをしている』という人がいるが、それは間違い。少年院を退院したり、刑務所を出所してから被害者への償いが始まる。皆勘違いしていると思う。私も、加害者が3年半という短い刑を終えて我が家に来てくれたが、刑務所の中で矯正教育もされず、これから自分がどういうふうに生活をするかも全く考えず、事件に向き合ってもいなかった。そのため、『1カ月余裕をあげるので手紙でも電話でもいいからこちらに連絡をしてくれ』と言って帰ってもらってから17年、何の音沙汰もない。何の連絡もない。被害者は一生被害者。被害者をやめることはできない。ところが、加害者たちは出所すればもう終わりというような状況でいる。出所してから、自分の生活を立て直してからでも結構だが、きちんと被害者のもとにできる限り償いはしてもらいたい。それは、決してお金ではない。気持ちや、態度。そういうところを忘れないで、周りの人もサポートをしてもらった方が、これから少年のためにもなる」と、自らも大切な娘を亡くした被害者の1人として、切実な想いを訴えた。

本放送の様子は、現在も「ABEMAビデオ」で配信中。

■『ABEMA Prime』 放送概要

放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時  ※生放送

放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル

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