カーシェアで共同研究 長崎トヨペット、県内3大学 利便性向上へデータ分析

シェアカーの前でアプリの操作を説明する長崎トヨペットの担当者=長崎市、長崎大

 車の運転記録のデータを収集・分析して交通安全や利便性の向上に役立てようと、トヨタ自動車販売店の長崎トヨペット(長崎市)と県内3大学は、トヨタ自動車が開発したカーシェアリングの仕組みを利用した共同研究を始める。
 3大学は長崎大(長崎市文教町)、県立大シーボルト校(西彼長与町)、長崎総合科学大(長崎市網場町)。各大学に学生、教職員が利用できるシェアカーを1、2台配備し、長崎大は11日から、他の大学は15日から運用を開始する。期間は来年3月末まで。
 長崎トヨペットによると、トヨタ自動車販売店と大学によるシェアカーの共同研究は、群馬県と北海道で事例があるが、複数大学との共同研究は初めて。
 シェアカーには位置情報や加速、減速などを記録する装置を搭載しており、走行ルートや急発進、急減速した場所が特定できる。
 利用の目的や人数など移動ニーズも組み合わせて分析。若者のカーシェアに対する意識も考察するという。
 利用者はスマートフォンに専用アプリをインストールして登録・予約し、アプリで車の解錠やエンジンを始動する。利用料は15分100円(通常の半額)、6時間2200円など。
 10日は長崎大に2台が納車され、長崎トヨペットの溝口昌喜常務は「若者の車離れが進む中、大学生の行動パターンに興味がある。長崎は坂や狭い道が多く、いい実験場」と期待を語った。データ分析を担う長崎大情報データ科学部の全炳徳(チョンヒョンドク)教授は「どういうデータが取れ、活用できるか楽しみ」と話した。

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