島原の精霊流し 協議会実施は取りやめ コロナ感染防止で

 島原市は11日、お盆伝統の精霊流しについて、今年は新型コロナウイルス集団感染防止の観点から、市などでつくる協議会が主催する形での実施は取りやめると発表した。初盆を迎えた家庭や各町内会などが個別に精霊船を担いで練り歩くことは可能だが、国道などの通行止めはせず、流し場も設けない。
 島原の精霊流しは、船に飾り付ける独特の形の切り子灯籠で知られ、300年以上の歴史があるとされる。例年、市や各地区町内会などでつくる精霊流し行事実施協議会が主催し、市内7地区10カ所に流し場が設けられる。昨年は約50隻が流された。
 市によると、人の距離を2メートル確保することや見物客の規制などが困難として中止を決めた。流す場合、道路使用許可申請や精霊船の処分はそれぞれ個別の対応が必要という。

© 株式会社長崎新聞社