高橋和枝『カツオくん(星を見上げて)』- わかってもらえる時までこの歌を口ずさんで耐える。 #とにかく癒されたいときのカルチャー

現状から脱出できない苦しみを癒す曲

初めまして。地下芸人の藤波かよ子です。文字数がないので本題に入ります。『サザエさん』の磯野カツオ(11歳)は、怒られることを最小限にしようと奮闘した結果、ひどく怒られることがあります。アニメ化初期の時代、そんな自分をわかってくれない世間を嘆き、ミュージカルのように歌うことが度々ありました。それが今回ご紹介する、現状から脱出できない苦しみを癒す曲『カツオくん(星を見上げて)』(作詞:北山修/ 作曲:筒美京平)です。

わかってもらえない日々を生きる

「もうイタズラしない」「もう宿題忘れない」「もうテストの答案隠さない」と誓ったにもかかわらず、そんな自分を裏切らざるを得ない苦悩をわかってもらえないカツオ。怒られた後、反省すると見せかけて「どうして僕だけ頭がいいの」「すてきな僕をどうしてみんなは知らないの」と口ずさんでいました。

子供は絶望しやすいです。辛い生活から抜け出すための知恵もお金もありません。

自分の気持ちを正直に伝えることが怖い日々を生きる(本心が受け入れられない方が絶望してしまいそうな)人にとって、カツオは共感できる相棒です。

「いつか来るさカツオの時代が」と前向きに終わるこの歌は、未来への希望です。もっとこの歌が広まり、みんなが自分の境遇に改変して口ずさみ、いつか替え歌選手権を開催できたら良いと思います。

なお、シングルレコードのカップリング曲『レッツ・ゴー・サザエさん』(作詞:北山修/ 作曲:筒美京平)も、カツオの苦悩を知る由もない能天気なフグ田サザエ(24歳)の魅力が大爆発でお薦めです。

TEXT:藤波かよ子

https://twitter.com/FUJINAMI_Kayoko

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