夕焼け映し出す水面 今月下旬ごろまでの絶景 南島原・谷水棚田

有明海と天草諸島を眼下に望む谷水棚田=南島原市南有馬町

 長崎県南島原市南有馬町の谷水棚田で田植えが終わり、新緑に囲まれた水田に夕焼け雲が鏡のように映えている。苗が成長して水面が見えなくなる今月下旬ごろまでの絶景。
 谷水棚田は、標高約140~200メートルの約4.5ヘクタールに階段状に広がる。1996年に「美しい日本のむら景観コンテスト」で農林水産大臣賞を受けた。99年に「日本の棚田百選」に認定された。眼下に有明海と天草諸島を望み、特に5~6月のいさり火と水田の調和は息をのむ。
 だが景観の保存は容易でなく、農業の70代男性は「あぜの手入れが大変だし、農家の高齢化と後継者不足で耕作放棄が進んでいる。自分たちの代で終わりだろう」と憂う。

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