羽田新ルート運用停止求め集団提訴 住民ら危険性指摘「世界の非常識」

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提訴後に会見した、新ルート直下に住む原告ら=国交省

 川崎臨海部や東京都心の上空を通過する羽田空港の新たな飛行ルートを巡り、直下の住民らが12日、従来の方針を改めて川崎市の石油コンビナート上空の通過を認めた国の通知は違法として、通知の取り消しを求める行政訴訟を東京地裁に起こした。住民らは提訴後に会見し、「世界中探してもコンビナート上空を飛ぶ航空路などなく、世界の非常識だ」と国の判断を批判した。

 3月29日に運用が始まった新ルートを巡る訴訟は初めて。

 提訴したのは同市、東京都渋谷区、港区など新ルート直下の住民ら29人。訴状で、国が1970年に指示した「川崎市の石油コンビナート上空を避ける」との通知が、新ルート運用に合わせて廃止されたと指摘。危険な区域の飛行を禁じる航空法に違反するとして、廃止の根拠となった昨年12月の通知を取り消すよう求めた。

 また新ルートで離陸直後に通過する多摩川河口の干潟は渡り鳥の繁殖、越冬地となっていることから、鳥が飛行機にぶつかる「バードストライク」の危険性を挙げ、「この空域で発生すれば、隣接する石油コンビナート地域に墜落する危険が十分にある」などとした。

 会見に出席した原告の1人、竹内康雄さん(71)=同市川崎区=は、コンビナートで40年ほど働いた経験を踏まえ、「原油などは一度火が付いたらなかなか消すことができない。別のコンビナートでは過去に一日中タンカーが燃え続けたケースもある。小さい落下物でも大惨事になる」と説明。「新ルートはストップすべき」と語気を強めた。