大雨、コロナ… 避難所の感染防止策を確認 長崎県と時津町が開設訓練

段ボールの間仕切りやベッドを設置した訓練=時津町北部コミュニティセンター

 長崎県と西彼時津町は12日、新型コロナウイルス感染症に対応した避難所開設訓練を同町日並郷の町北部コミュニティセンターで実施した。梅雨入り後の大雨による災害発生を視野に、「3密」を踏まえたスペースの確保など、避難所での感染防止対策を確認し合った。
 感染防止対策を図りながら、迅速な避難所開設を目指して初めて実施。県内17市町の防災担当者が見学した。同センターは時津町の指定避難場所の一つ。町職員が段ボール箱を組み合わせてベッドを作り、感染予防のため高さ160センチの段ボール製パーティション(間仕切り)を2メートル間隔で配置した。
 玄関外に設けた受付では避難者役の体温を測り、チェックシートに感染リスクの有無などを記入してもらって避難場所を振り分けた。感染リスクが不明な場合はセンター内の別部屋へ、発熱など症状がある場合は防護服を着た職員が別の避難所に搬送する専用車へ-と案内した。
 時津町の太田信孝・総務課長は「想定より受け付けに時間がかかることが分かった。スムーズで的確な振り分けができるよう、今後職員の役割分担などを見直したい」と振り返った。見学した大村市の担当者は「限られたスペースの中で間隔を取ること、発熱者の収容場所など考えなければならないことは多い」と感想。訓練後の取材に県の荒木秀・危機管理監は「各自治体に持ち帰って、もう一度こういう訓練をやっていただきたい」と話した。

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