旧車オーナー感涙! 手に入らない部品を3Dプリンターで復活させる夢のショップ【未来モビリティ総研】

3Dプリンター ストラタシスF370 [撮影:佐藤 正勝]

廃車という結末に待った! 旧車を救うスーパードクターが神戸に

日産 セドリック

部品がなくて仕方なく手放した、なんてのはクルマ好きではよく聞く話。かくいう筆者・木村も学生の頃所有していた日産 Y32セドリックも部品が調達できずに諦めたクチだ。と、世の中には超貴重なクルマたちが部品がないことを理由にスクラップになっていることもしばしば。

そんな不遇な旧車オーナーを救うべく、ない部品を見事再生してくれる神のようなショップが神戸にあるスタークラフトだ。主に旧車のレストアを手がけているが、その“作品”たるやすごいの一言。

もう手に入らない部品を最新鋭の機材で再生

スタークラフト [撮影:佐藤 正勝]

ない部品を作ると簡単にいっても、金型を起こして……なんていう古いものではなく、最新の3Dスキャナー&3Dプリンターで再生するというモノ。最新鋭のマシンを使用するため、0.1mm単位で精巧にスキャンし、その完成度たるや当時の新品を超えるほど。最新鋭の技術を駆使して、これまで幾多のクルマを蘇らせているのだ。

破損したインパネだって、あの頃の輝きを取り戻せる

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フェラーリ ディーノ

コチラは、かの名車ランボルギーニ ミウラのインパネ。これをスタークラフト自慢の3Dスキャナーでスキャンし、新品同様に復元させたのだが、シボ(樹脂部分に刻む細かい柄)まで再現するほどの完成度と、新車当時を知るモノも驚くほどのデキ。

当時を知る人も唸るほどのデキ!

3Dスキャンを用いて復元できるのはインパネのような樹脂を用いたものだけでなく、ホイールやヘッドライトなども可能で、事実ランボルギーニ ミウラの新車当時のヘッドライトの復元も成功させている。

ランボルギーニ ミウラ [撮影:佐藤 正勝]

ミウラオーナーが保管しているホンモノをスキャンし、新車当時の透明度や、劣化の進行なども計算して作製するほど。ガヤルドのテストドライバーを務め、ミウラの父という異名を持つヴァレンティーノ・バルボーニ氏が、完成品を見て納得するほどのデキなのだ。

世界中のクルマ好きを助けたい!

ランチア ストラトス [撮影:佐藤 正勝]

なぜここまでして旧車を復活させるのかと言えば、スタークラフト社長の室崎さんは根っからのクルマ好き。3Dプリンターを使った事業に目をつけたのも「困っている世界中の旧車オーナーを助けたい」というアツい信念があったからだ。

ここまでの思いで旧車を復活させてくれるのだから、こだわりの強いオーナーたちがこぞってスタークラフトを頼るのも納得だ。本記事では“名車復活劇”を一部しか紹介できなかったが、その実績は多数。詳しくはコチラ

をチェックしてほしい。

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【筆者:MOTA編集部 木村 剛大】

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