車に乗ったまま映画を楽しめる「ドライブインシアター」といえば、アメリカの古い映画のワンシーンが思い浮かびます。船橋のららぽーとTOKYO-BAYが、1980年代に日本で初めてドライブインシアターが開業した場所ということで、読者のみなさんのなかにも行かれたことがある人もいらっしゃるかもしれませんね。
ソーシャルディスタンスと3密を避ける「新しい生活様式」が推奨される今、コロナ禍のなかで「ドライブインシアター」が再び注目を集めています。
今回「CINEMATHEQUE-Drive-in Theater」がイオンモール幕張新都心で6月13・14日に限定開催されるということで取材に行ってきました!
冷たい雨が降るなか、開催できるのかなと心配でしたが……
梅雨入りの影響で、取材当日は冷たい雨が朝から降っていました。屋外にスクリーンを設置するなら、雨だと上映できないのではと心配しながら現地に行ってみると、そこには大きな黒いビニールの塊が!
他のドライブインシアターで使われているスクリーンは、コンサート等で使用するような足場を組んで設置する大がかりなものが多いそうですが、今回使用されたのは主催である株式会社KINGBEATが所有する、日本最大級のエアー型スクリーン(横16M×高さ8M)。30分程度で膨らませることができて、雨風に強くぬれても大丈夫なんだそう。折りたたむと、ワンボックスカーでも運べるミニサイズになるとは驚きです!
暴風が吹くと倒れる心配があるので注意が必要ですが、雨でも開催できるのはうれしいですね。
イベント自粛が続く今だからこそ実現できる「リアルイベント」
今回「CINEMATHEQUE-Drive-in Theater」を主催したのは、株式会社KINGBEATと株式会社シネマティーク。
そして会場協力としてイオンモール株式会社、カーステレオのFM受信機を使って音声を届けるためにJ-WAVE 81.3FM の後援をうけて開催されました。
株式会社KINGBEATの小宮山さんに、ドライブインシアターへの思いをうかがいました。
小宮山さん「私たちはイベント会社で、エアー型スクリーンをつかって2017年から全国でイベント制作などを行っていました。コロナの影響で2月に行ったのが最後のイベントになり、その後はイベント自粛でずっと休業状態が続いてます。緊急事態宣言が解除になりましたが、人が集まるイベントを開催することは難しい状況で先が見通せません。
そんな中で、私たちが持っているコンテンツで、自粛生活で閉塞感を感じている人たちに『楽しむ時間』や『安らぎ』を提供できるのではと考えて今回初めて企画。
世間のみなさんに、ドライブインシアターを知ってほしい、3密をさけて楽しめるエンタメがあることを広げたいとの思いから、CSR(企業の社会貢献活動)の一環として参加無料のイベントとして実施しました」
ほとんど宣伝せずに、口コミだけで約15,000件もの応募が殺到!
小宮山さん「4月から企画準備していましたが、実際に動き出したのは緊急事態宣言解除後から。5月27日から参加者募集を始めましたが、応募〆切の6月8日までの間に約15,000件の応募がありました。ほとんど宣伝していなかったので反響の大きさに驚いています。制作にあたっては、弊社の他にも6社が集まり、音響や映像、電源などの環境整備にご協力いただきました。資材以外のマンパワーは、ほぼ手弁当で手伝っていただいていて本当にありがたい限りです」
withコロナで楽しめるエンタメとして、全国に広げていきたい
小宮山さん「ドライブインシアターは、来場者の方の車の中でカーステレオのFM受信機を使って音声を楽しめます。車内で映画鑑賞ができるので、3密空間で大勢の人と接触する心配がありません。
イベント自粛がつづく今だからこそ楽しめるコンテンツとして、多くの人に届けていきたいと思っています。
ドライブインシアターを開催するには、『車を停めるための広い会場』『渋滞緩和するために大きな道路の近く』『200Vの電源確保』が必要になります。ご協力いただける自治体や企業の方がいらっしゃいましたら、ぜひお声がけいただいて全国に広げていきたいです」