憧れのチームに入団 カージナルス4巡目指名の右腕・ビーデル

野球ファンというものは、贔屓チームの歴史的な瞬間、特にポストシーズンの印象的な瞬間をはっきりと覚えているものである。それはミズーリ大の右腕、イアン・ビーデルも例外ではない。カージナルス・ファンとして育ち、2011年ワールドシリーズ第6戦(デービッド・フリースが大活躍したあの試合)が一番のお気に入りだというビーデルは、今年のドラフトで憧れのカージナルスから4巡目指名を受け、プロの世界に飛び込むことになった。

アイオワ州ダベンポートでカージナルス・ファンとして育ったビーデルにとって、最高の瞬間はフリースの奇跡的な活躍によりレンジャーズとの熱戦を制した2011年ワールドシリーズ第6戦だという。それ以外には、アルバート・プーホルスがロイ・オズウォルト(アストロズ)から放った特大のグランドスラムが印象に残っているそうだ。

さらに、昨年はミズーリ大の先輩であるマックス・シャーザー(ナショナルズ)とカージナルスが対戦したリーグ優勝決定シリーズ第2戦を現地(ブッシュ・スタジアム)で観戦していた。そして今年、ビーデルはプロ野球選手としてカージナルスのユニフォームに袖を通すことが決定した。

日本時間6月12日に行われた2020年ドラフト2日目、カージナルスから4巡目(全体122位)で指名された直後、ビーデルは「カージナルス・ファンとして育ち、本当にたくさんの素敵な思い出がある。その球団の一員になることができるなんて素晴らしいよ」と喜びを爆発させた。

身長6フィート2インチ(約188センチ)のビーデルは、セントルイスから2時間ほどの距離にあるミズーリ大に通っており、カージナルスにとって「ご当地選手」と言える。決して圧倒的な球威で試合を支配するようなタイプではなく、95マイルに達する速球にチェンジアップとカーブを交え、安定した制球力を武器に試合を組み立てる。大学2年生のときにリリーバーとして複数イニングを投げる役割を担った経験が、今のビーデルを支えている。

ドラフト当日、ビーデルは地元ロイヤルズが全体105位の指名を終えたときに、自分が望む契約金でプロ入りする希望を失った。しかし、その後の全体122位でカージナルスがビーデルを指名。契約金は当初の希望額を下回ることが確実だが、カージナルスと契約するかどうかを尋ねられたビーデルは「迷う必要なんてない。僕は人生を通してカージナルス・ファンとして育ってきたんだから。本当に信じられないよ」と即答した。

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