南北共同連絡事務所を完全に破壊…北朝鮮報道

北朝鮮国営の朝鮮中央通信は16日、開城工業団地内の南北共同連絡事務所が「ものすごい爆音とともに悲惨にも完全に破壊された」と報道した。

同通信は、金正恩体制を非難するビラを脱北者団体が北へ向けて飛ばし、文在寅政権がそれを許容してきたことを非難。続けて「北南間の全ての通信連絡線を遮断したのに続けて断行された今回の膺懲(ようちょう)措置は、絶対にけなしてはならないわれわれの最高の尊厳をけなした連中と何の呵責も反省の兆しもない連中から必ず罪の代価を払わせるためのわれわれの1次的な最初の段階の行動である」と宣言した。

さらに「われわれは、南朝鮮当局の態度を見守りながら、今後の振る舞い、処置いかんによって連続的な対敵行動措置の強度と決行時期を定めるであろう」と韓国に通告した。

同通信の報道全文は次のとおり。

北南共同連絡事務所、完全破壊

【平壌6月16日発朝鮮中央通信】北南共同連絡事務所が6月16日、完全に破壊された。

くずの連中とそれを黙認した者らの罪の代価をすっかり払わせるべきだという激怒した民心に応じて北南間の全ての通信連絡線を遮断したのに続けて、わが方の当該部門では開城工業地区にあった北南共同連絡事務所を完全に破壊する措置を実行した。

16日14時50分、ものすごい爆音とともに北南共同連絡事務所が悲惨に破壊された。---

北南関係総破綻の不吉な前奏曲 北南共同連絡事務所、完全破壊

【平壌6月17日発朝鮮中央通信】北南共同連絡事務所が6月16日14時50分、ものすごい爆音とともに悲惨にも完全に破壊された。

わが祖国の最も神聖な尊厳と権威に挑戦したくずの連中と彼らの歯軋りする罪科を黙認してきた連中に対するわが人民の憤激した懲罰熱気をこめて、わが方の当該部門ではすでに宣明した通りに開城工業地区にあった北南共同連絡事務所を爆破して完全に破壊する断固たる措置を実行した。

北南当局間の協議を緊密にし、交流と協力を円滑に保障するために開城工業地区に設置した北南共同連絡事務所は、2018年4月の歴史的な板門店(パンムンジョム)北南首脳会談の成果物に評価されてきたが、無力無能な南朝鮮当局者らによってこんにち、無用の家に変わってしまった。

北南間の全ての通信連絡線を遮断したのに続けて断行された今回の膺懲(ようちょう)措置は、絶対にけなしてはならないわれわれの最高の尊厳をけなした連中と何の呵責も反省の兆しもない連中から必ず罪の代価を払わせるためのわれわれの1次的な最初の段階の行動である。

われわれは、南朝鮮当局の態度を見守りながら、今後の振る舞い、処置いかんによって連続的な対敵行動措置の強度と決行時期を定めるであろう。

今のような鋭敏な局面で、南朝鮮当局の破廉恥かつ無分別な態度と対応は、われわれのより強硬な報復計画を誘発させるであろう。---

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