4人死亡事故で懲役7年

危険運転致死傷罪認めず 婚約者涙

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一昨年、三重県津市の国道を時速146キロで走行し、タクシーに衝突して運転手と乗客4人を死亡させたなどとして、危険運転致死傷の罪に問われた男の裁判員裁判が16日に開かれました。

判決で津地方裁判所は、危険運転致死傷罪の成立を認めず懲役7年を言い渡しました。

危険運転致死傷の罪に問われていたのは、津市白山町の元会社役員、末廣雅洋被告(58)です。

起訴状などによりますと、末廣被告は一昨年12月、津市の国道23号で制御が困難な時速約146キロで乗用車を運転し、国道を横切ろうとしたタクシーと衝突。

運転手と乗客あわせて4人を死亡させ、乗客1人に大ケガを負わせたとされています。

争点となっていたのは、制御することが困難な速度で運転していたか、被告が危険な運転であることを認識していたかの大きく2点で、危険運転致死傷罪が成立するかどうかが争われていました。

これまでの裁判で検察側は、「8秒間に約70キロ加速するなど、意図的に加速したことは明らか」などと指摘し、危険な運転であることを認識していたとして、末廣被告に対し危険運転致死傷罪を適用した上で懲役15年を求刑していました。

一方、弁護側は「タクシーが末廣被告の予想に反して道路上で停止したため追突した」と指摘し、危険運転致死傷罪は成立せず、過失運転致死傷罪を適用した執行猶予付きの判決を求めていました。

裁判で津地方裁判所の柴田誠裁判長は、被告が危険な運転であることを認識していたかについて、「具体的に想起しなかったはずはないとは断定できない」として危険運転致死傷罪は認められないとしました。

その上で「非常に危険で悪質な行為だった」などとして、末廣被告に過失運転致死傷の罪で懲役7年の実刑判決を言い渡しました。

判決を受け、津地方検察庁の吉野太人次席検事は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とコメントを発表しました。

死亡した乗客の婚約者は「146キロで走って危険運転でないなら何なのか。ただのスピード超過か、おかしい。たった7年、短い」と涙ながらに話しました。