なぜ他の街で集団検診が行われないのか 都知事選が迫る今、歌舞伎町=「悪の街」イメージにお上の思惑を感じる

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有名ホストクラブで生じたコロナクラスターに端を発した新宿・歌舞伎町への非難が止まらない。そんな中、6月15日にはワイドショーの女性リポーターが、生中継中に男性に絡まれるというアクシデントが起き、「やっぱり、歌舞伎町は怖い」というイメージが増幅されてしまった。

すでに、スポーツ紙などでも報じられているが、問題となったリポートは『情報ライブミヤネ屋』での話だ。東ふきリポーターがコロナクラスター発生後の歌舞伎町リポートを行っている最中、赤信号を渡ってきた中年男性にジャブ(?)のようなものを繰り出されて困惑する場面が映し出された。スタジオの宮根は「大丈夫?」と問いかける……というほんの数秒の出来事だった。

男性は酔っぱらっているのか、それ以外の理由があるのかはわからないが、本気で殴り掛かるというよりは悪ふざけ気味、根本的にはリポーターの後ろでVサインをする連中と変わらない。確かに態度が急変して致命的な行動を起こさないとは言えないが、現場でリポートする以上はそのようなリスクはつきまとう。ついでに言うならば、リポートは靖国通りを渡ってJR新宿駅東口側で撮影しているため、万が一、致命的な事件が起きた場合の「現場」は歌舞伎町ではなく、新宿三丁目である。

現在の歌舞伎町を取り巻く状況は、図らずもこのミヤネ屋でのハプニングが分かりやすく証明した。正体不明の恐ろしい男がいきなり女性リポーターに殴りかかる街……もともとのカオスに、コロナクラスターも相まって「悪の街」のイメージは完成する。その場合の歌舞伎町は、行政区分の歌舞伎町だけではなく、隣接する新宿三丁目、五丁目、七丁目、西新宿七丁目等も含まれるのだろう。

また、そもそもの原因となったホストクラブのクラスターにしても、集団検診を行ったことで大量の感染者が発覚している。ホストクラブを庇うつもりは毛頭ないが、歌舞伎町だけではなく、他の街、渋谷や池袋、また感染ゼロが続く大阪ミナミなどでも集団検診をすれば、無症状の感染者が出てくる可能性はあるのではないか。

そうこう見ると、歌舞伎町(とその周辺)にすべての厄災=コロナの原因を押しつけて、根本的な対策から目を反らさせようとしている、お上の思惑を感じずにはいられない。それには、7月5日の都知事選挙も無関係とは言えまい。そもそも論を言えば、歌舞伎町が悪いというが都庁のおひざ元、都知事にとっては目の前の庭である。街が悪いというなら、都やリーダーの責任も問われるハズだ。そこを無視してセンセーショナルに取り上げる大マスコミも、また同罪である。(文◎堂本清太)