アメリカ野球殿堂入り投票 イチローの登場は2025年

アメリカ野球殿堂入りの候補選手となるためには、メジャーリーグで10年以上プレーし、現役引退から5年以上が経過する必要がある。たとえば、次回の2021年の殿堂入り選考で新たに対象となるのは、最終出場が2015年の選手である。よって、2019年に現役ラストゲームをプレーしたイチローが殿堂入り選考の対象となるのは、2025年ということになる。

選考対象となった選手はまず、記者投票の対象とするのが適切かどうかを審査され、この審査を通過した選手のみが投票用紙に名前を記されることになる。メジャーリーグで10年以上プレーし、なおかつキャリアの大部分をレギュラーとして過ごした選手の大半がこの審査を通過する。

そして、全米野球記者協会(BBWAA)の投票によって得票率75%以上を獲得した選手が殿堂入りを果たすことになる。現行のルールでは、記者投票の対象となる期間は10年と定められており、10年が経過すると記者投票の対象から除外される。また、得票率が5%を下回った場合、10年が経過していなくても、ただちに記者投票の対象となる権利を喪失する。よって、記者投票の10年を「完走」することも決して容易ではない。

今年の殿堂入り投票では、デレク・ジーター(1年目/得票率99.7%)とラリー・ウォーカー(10年目/76.6%)の2人が殿堂入りを果たしたが、ジーター以外の1年目の選手で得票率5%のラインを超えたのはボビー・アブレイユ(5.5%)だけだった。アブレイユのほかに得票率5%を超えた選手は以下の通り。

カート・シリング(8年目/70.0%)
ロジャー・クレメンス(8年目/61.0%)
バリー・ボンズ(8年目/60.7%)
オマー・ビスケル(3年目/52.6%)
スコット・ローレン(3年目/35.3%)
ビリー・ワグナー(5年目/31.7%)
ゲーリー・シェフィールド(6年目/30.5%)
トッド・ヘルトン(2年目/29.2%)
マニー・ラミレス(4年目/28.2%)
ジェフ・ケント(7年目/27.5%)
アンドリュー・ジョーンズ(3年目/19.4%)
サミー・ソーサ(8年目/13.9%)
アンディ・ペティット(2年目/11.3%)

これらの選手は、2021年の殿堂入り投票でも引き続き対象となる。また、アメリカ野球殿堂の公式サイトでは、2021年以降に投票対象となる可能性が高い選手の顔ぶれを紹介しており、2021年は以下の選手たちの名前が挙げられている。

マーク・バーリー
A・J・バーネット
マイケル・カダイアー
ダン・ヘイレン
ティム・ハドソン
トリー・ハンター
アダム・ラローシュ
アラミス・ラミレス
アレックス・リオス
ニック・スウィッシャー
ダン・アグラ
シェーン・ビクトリーノ
バリー・ジート

データサイト「Baseball-Reference」が算出しているWARの数値が最も高いのはバーリー(59.1)で、ハドソン(57.9)とハンター(50.7)の2人も50を超えている。しかし、アブレイユ(60.2)が得票率5%をギリギリ超えたレベルであることを考えると、新たな投票対象者が1年目で全滅という展開も十分に起こり得る。

なお、アメリカ野球殿堂の公式サイトでは2022年から2025年までの投票対象候補も紹介されており、イチローの名前は2025年のところに登場する。

2022年
カール・クロフォード
プリンス・フィルダー
ライアン・ハワード
ティム・リンスカム
ジョー・ネイサン
デービッド・オルティス
ジョナサン・パペルボン
ジェイク・ピービー
A・J・ピアジンスキー
アレックス・ロドリゲス
ジミー・ロリンズ
マーク・テシェイラ

2023年
カルロス・ベルトラン
マット・ケイン
アンドレ・イーシアー
ジョン・ラッキー
マイク・ナポリ
ジョニー・ペラルタ
フランシスコ・ロドリゲス
ヒューストン・ストリート
ジェレッド・ウィーバー
ジェイソン・ワース

2024年
ホゼ・バティースタ
エイドリアン・ベルトレイ
バートロ・コローン
エイドリアン・ゴンザレス
マット・ホリデイ
ジム・ジョンソン
ビクトル・マルティネス
ジョー・マウアー
ブランドン・フィリップス
ホゼ・レイエス
ジェームス・シールズ
チェイス・アトリー
デービッド・ライト
ブラッド・ジーグラー

2025年
カーティス・グランダーソン
デービッド・フリース
ブライアン・マッキャン
ケンドリス・モラレス
マーティン・プラド
マーク・レイノルズ
CC・サバシア
イチロー
トロイ・トゥロウィツキー

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