「嫌悪感を禁じ得ない」金与正氏、文在寅発言を激しく非難

北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の妹・金与正(キム・ヨジョン)党第1副部長は17日、韓国の文在寅大統領を激しく非難し、南北関係の断絶を宣言する談話を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。

金与正氏は、文在寅氏が15日の南北共同宣言20周年にあたり、同日開かれた首席秘書官・補佐官会議での発言と、京畿道・坡州の烏頭山統一展望台で開かれた記念行事に送った南北交流と協力を呼びかけるビデオメッセージに言及。「嫌悪感を禁じ得ない」「鉄面皮かつずうずうしい内容」などと不快感を露わにした。

金与正氏はさらに、南北共同連絡事務所の爆破(16日)などの「重大な現事態がくずの連中(脱北者団体)の反朝鮮ビラ散布妄動とそれを黙認した南朝鮮当局のために招かれたということは、周知の事実である」と指摘。文在寅氏は謝罪と反省、再発防止策を明らかにすべきだったのに「責任回避のための弁解と術策をごちゃまぜにした華麗な美辞麗句で一貫」していたと非難した。

また、「看過できないのは、現事態に関連してわれわれがくずの連中の対北ビラ散布と自分らを非難し、疎通を断絶して過去の対決時代に戻るかもしれないので気掛りだの、疎通と協力で問題を解決していくことを願うと力説したこと」だとしながら、「自分らが招いた事態の責任までもわれわれに転嫁しようとするのは実に、ずうずうしくてごう慢不遜な行為だ」と主張した。

続けて、「板門店宣言と9月平壌共同宣言で南朝鮮当局が履行すべき内容をまともに実行したのが一条項でもあると言うのか」と反問。「自他が公認するように、立派であった北南合意が一歩も履行できなかったのは、南側が自ら自分の首に掛けた親米事大のわなのためである」と断じた。

そして、「根深い事大主義根性に虐げられ、汚辱と自滅へ突っ走っているこのように卑屈で屈従的な相手とこれ以上、北南関係を論じられないということが、固まるほど固まったわれわれの判断である」と強調。「今後、南朝鮮当局者らができることとは後悔と嘆きだけだ」としながら、「信義を裏切ったのがどんなに大きな代償を払うことになるのかを南朝鮮当局者らは流れる時間の中で骨身に染みるほど感じることになる」と述べた。

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