マンフレッドとクラークの「二者会談」で開幕に大きく前進

シーズン中止の危機に立たされていたメジャーリーグが2020年シーズンの開幕に向けて大きく前進した。メジャーリーグ機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは日本時間6月18日、声明文のなかで自身の要望によりメジャーリーグ選手会のトニー・クラーク専務理事とアリゾナ州フェニックスで数時間にわたる話し合いを行ったことを明らかにした。そのなかで、機構側と選手会の合意につながる可能性のある基本的な枠組みを作成したようだ。

速報が飛び込んできたのは日本時間6月16日午前3時23分だった。MLBネットワークのジョン・ヘイマンが「選手会によると、メジャーリーグ機構と選手会は2020年シーズンの開催について合意間近となっている。完全な日割り給与やポストシーズンの拡大が含まれる見込みだ」とツイート。MLBライターのロバート・マレーも「これは重要な情報だ」とヘイマンのツイートに反応した。

しかし、複数の記者が「メジャーリーグ機構は選手会に対して新たな提案を行ったが、まだ合意には達していない」とヘイマンが報じた内容を否定し、選手会も午前4時すぎに「合意についての報道は間違いだ」と明確に否定。機構側が日割り給与を100%支払うことを提案のなかに盛り込むなど、合意に向けて前進した部分もあるが、試合数などの面においてまだ両者間には溝があるようだ。

マンフレッドは声明文のなかで「(クラークと共同で作った)その枠組みを何度も整理し、今日トニーへ送った。私は各球団が前進できるように取り組んでいるし、トニーも同様だと信じている」と述べており、クラークとの話し合いのなかで作成した基本的な枠組みに手応えを感じている様子。今後はレギュラーシーズンの試合数が両者間の交渉の争点となりそうだ。

マンフレッドの「100%開催できる」との発言から一転、シーズン中止の可能性すら取り沙汰されたメジャーリーグだが、2020年シーズンの開催に向けてマンフレッドとクラークは大きな一歩を踏み出したようだ。

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