広島堂林の活躍は「ファンの悲願」 カープ女子・うえむらちかが今季の展望語る

熱狂的なカープファンとしても知られるタレントのうえむらちかさん【写真:荒川祐史】

5月下旬に行われたマツダスタジアムでの練習一般公開、取材で球場に

プロ野球はいよいよ19日にセ・パ同時開幕を迎える。今回はタレントとしてマルチに活動するかたわら、熱狂的なカープファンとしても知られる、うえむらちかさんに佐々岡真司新監督のもとV奪還を狙うカープの今季展望について語ってもらった。

――5月下旬にカープがマツダスタジアムでの練習を一般公開、うえむらさんも取材で球場を訪れた

「今年は無観客で開幕することが決まっているので、次いつ球場にくることができるのかなっていうのがすごく不安で。(練習見学の抽選に)当たった人は『今日がもしかしたら最後かもしれないから』とか『今日は絶対にカープうどん食べて帰ろう』『グッズたくさん買って帰ろう』とか……。その日にかける意気込みがいつもと全然違ったように感じました。スタジアムの中に入って見ると、普段ならぎっしりお客さんがいる客席はガラガラの状態だったので、打球音や選手の声が球場中に響いていて。キャンプみたいでした。

オープン戦も無観客だったので、音ってどういう風に聞こえるんだろうと思っていました。実際に聞いてみると、『ああ、野球の音だ!』とすごい嬉しくなってしまって。19日に開幕することが決まったので、それに対してみんな気持ちが高まってきている状態でしたね。カープだけが12球団で唯一練習にお客さんを入れてというのをやっていたので、シーズンが始まってお客さんをもし入れることになったらこれが1つのモデルケースになるのかなと思いました」

――14日まで行われていた練習試合は自宅で視聴し今季のカープをチェック

「去年までの応援スタイルが今年は変わるんじゃないかなと思っています。家でもいかに球場にいるかのような観戦スタイルで応援できるかっていうのを色々考えています。ユニフォームで正装するのはもちろんなんですけど、球場に行ったときにはカープのヘルメットアイスのヘルメットとか、ビールのカップとかをきれいに洗って持って帰っているので、それに食べ物入れたり、ビールを入れたり。ちょっと球場気分を味わえるので、あれはみんなやった方が良いです(笑)」

入団時から期待されていた堂林に大注目「今年は絶対、堂林がやるけん」

――4月からはRCCラジオで「うえむらちかの鯉スル企画室」という番組がスタート

「広島県民にとってRCCラジオさんは小さいころから聞いているラジオ。野球も全試合中継しているので、車に乗っているときも聞くし、家でも聞く。そこで番組をやらせてもらうというのは1つの夢だったので、それが叶ってめちゃくちゃ喜びました。番組ではグッズや企画の案をリスナーさんから集めて、いいものがあったら実現していくということをしています。“企画室”というタイトルなので、室長として先陣を切って実現していくというスタイルでやっています!

どういう風に実現していけばいいのかというのは、今まではタレントの側だったので最初わからなかったんです。それでもいろんな方からお話を聞いたりしています。実際に、中国新聞さんに作りたい企画を持って行って、『こういうグッズを作ってもらえませんか?』という話からさせてもらったりもしています。『1からどうやってグッズができているのか』というのを勉強させてもらったので、当たり前に今まで使っていたグッズが、こんな感じで企画されて実現して、みんなの手に渡っていたんだなっていうのが分かって。グッズの裏側を伝えられる番組なので、面白いなあと思って楽しんでやらせてもらっています」

――これから先、番組の中で実現したいグッズはあるという

「手洗いうがいグッズを作りたいというのが固まってきたので、それに向けて今動いているところです。広島の企業さんから『コラボしませんか』というお話もきているので、それがうまくいけば、秋までには間に合うようにグッズができるんじゃないかなと思っています!」

――プロ野球の開幕が19日に迫っている。今年のカープをどうみる?

「開幕しないんじゃないかなってちょっと思っていたので、決まってよかったです。でも今年の順位予想はすごく難しい。各球団が今までどういう練習を行っていたかって全部明かされていないし、コンディション不良の人もまだいるし……。でも、その中で公開練習もしていたし、練習も休まず続けていたのがカープ。余裕を持って練習できていたチームじゃないかなと思うので、そこが活かされてほしいです」

――オープン戦や練習試合を見て、注目している選手は?

「メヒア選手と堂林選手ですね。堂林選手は毎年、『今年こそ堂林が行くから』ってみんなに言われていて。最初は女性ファンがすごく多かったんですけど、今、堂林選手のファンってすごい年上のおじさまが多いんですよ。『今年は絶対、堂林はやるけん!』みたいな。本当に愛されている選手なので、だからこそ期待が大きいとは思うんです。今年こそはレギュラーをつかみ取って活躍してほしいっていうのは、カープファンの悲願です。

今年、カープがAクラス争いができるようになるためには先発が一番重要だと考えています。いつもより短くなったシーズンの中で、投手が有利になってくると思うんですよね。なかなか練習もできない中で、野手は打つのと守備もどちらも練習しないといけないじゃないですか。投手は投げることに集中できていたと思うので、今年に限っては全球団で投手の方が有利になるんじゃないかなって思っていて。そう考えると、カープが上位に上がるにはやっぱり、森下選手(ドラフト1位・明大)の活躍が必須になると思っています」

ドラフト1位ルーキー・森下には2桁勝利、主砲・鈴木には3冠王を期待

――森下はどのくらいの成績を残す?

「2桁勝ってもらわないと困る!(笑) 前評判もとてもよくて、色んな解説者の方もすごく期待をされているので、ポテンシャルは間違いないと思います。練習試合を見ていて、打たれ始めるのは結構後ろの方。スタミナがこれからついていけば改善されていくのかなと。そこをシーズンを通して頑張っていただければ、ローテーション守る選手になると思って期待しています」

――森下が背番号「18」を受け継ぎ話題に

「マツダスタジアムに公開練習の取材に行ったときに、18番のユニフォームを着ているファンが結構いて。最初は『マエケンのユニフォーム多いな』と思ったんですけど、よく見ると全部森下選手だったんです。すごい人気ですよね! 彼にはたくさんのカープファンの期待がかかっているんですけど……。それを跳ね返すくらいの力のある選手だと思います。あと、なにより爽やかですね。色んなプレッシャーもあると思うけど、はねのけて頑張ってほしいです」

――今年の開幕スタメンを大予想! 打線の肝は?

「本当は松山選手に入っていてほしかったんですけど、コンディション不良でいないので入れられないんです……。鈴木選手の4番はもう確定で、今メヒア選手の調子がいいので、ピレラ選手よりメヒア選手を上位にしたい。そして、みんな期待の堂林選手をイチオシで入れたい! 田中選手も調子が上がってきているので、1番で今年も頑張ってほしいなと思っています。なんかちょっと優勝しそうじゃないですか?」

――今や日本の4番に成長した鈴木。今年はどのくらいの成績を?

「今年、めちゃくちゃ身体が大きくなったんですよ! 愛理夫人(畠山愛理)の作るご飯がおいしいんだろうなあって。ご自身もアスリートの奥さまなので、体調や栄養の管理がすごくちゃんとされているんだろうなっていうのが如実に身体に現れてきているから、今年もさらにやってくれると思います。3冠王ですか? いけると思いますよ!」

――鈴木が3冠王、森下が2桁勝利して新人王になったら確実に優勝?

「そうですね! 優勝してほしい!」

――佐々岡新監督がどのような采配をするかも注目

「そうなんです。今年はルーキーの森下投手がどのくらいやるかと、新監督がどういう采配をするかにかかっていると思います。監督って、自分が引っ張っていくタイプと、みんなに押し上げられていろんな意見を聞いて采配するタイプの2パターンあると思うんですけど、佐々岡監督はみんなの意見を聞くタイプ。人望もとてえも厚くって、いろんな人に話を聞いていても、誰も悪く言わない。優しい監督なので、その優しさが吉と出るのか凶と出るのかどっちなんだろうと思います。あまり優しすぎるのもよくないって言うじゃないですか。選手が不調になったときに佐々岡監督がどういう風に変えていけるのかというのも、今は全く分からない状態。そこはちょっと楽しみに見たいなあと思います。

佐々岡監督と、お正月に釣りの番組に行かせていただいたんです。佐々岡監督は釣りが大好きで、『大物を釣る』っていう。森下くんみたいな大物を釣ったというのもあったり。カープの成績が悪いと、釣り番組には出れないじゃないですか。なので、ぜひ監督にはAクラス以上に必ず入ってもらって、釣りをまたご一緒して、シーズンを締めたいなと思っています!」

◇うえむらちか 1985年生まれ。広島県出身。女優、タレント、作家などマルチに活躍中。広島を題材にした書籍「灯籠」(早川文庫JA)を出版、舞台化。2017年にはグルメ書籍「うえむらちかのカープごはん。」(ザメディアジョン)を出版。自ら作詞したカープ女子の応援ソング「鯉スル乙女」も配信中。

【画像】カープ女子・うえむらちかさんがスタメン予想! 期待の堂林は「8番・一塁」

カープ女子・うえむらちかさんがスタメン予想! 期待の堂林は「8番・一塁」【写真:荒川祐史】 signature

(安藤かなみ / Kanami Ando)

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