姿消す“街の顔” 船橋グランドホテル8月廃業 政財界から嘆き

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8月末で廃業となる船橋グランドホテル=17日、船橋市

 千葉県船橋市中心街に立地し、“街の顔”の一つとして市民に親しまれた「船橋グランドホテル」が8月末で廃業することが17日、分かった。鶴巻裕士支配人は「新型コロナウイルスの影響がなければ、経営を継続していた」と“コロナショック”に悔しさをにじませた。市内政財界からは「廃業はとても残念。突然のことでショック」と驚きの声が上がっている。

 鶴巻支配人によると、同ホテルは月平均5500万~5600万円を売り上げていたが、新型コロナの影響が出始めた2月下旬からキャンセルが続出。2月は30%以上売り上げ減となった。

 3~5月になると状況はさらに悪化し「売り上げは5%ほどに激減し、皆無の状況となった。毎月の固定費は数千万円かかり、従業員や取引先に迷惑を掛けないために、8月廃業を決断した」と説明した。

 15日に約65人いる社員・パートら従業員を集めて廃業方針を伝達。来年7月までぎっしり詰まっていた予約客には、事情を説明し断りの電話を入れていくという。

 突然の廃業について、松戸徹市長は「ショックを受けている」と述べた。市内では4月末に割烹(かっぽう)旅館「玉川」が閉館しており「人が集まる施設の閉館が続き、本当に残念。グランドホテルでは姉妹都市交流のため海外からの訪問団受け入れや、東京五輪に向けた体操男子の米国代表チームのパーティー会場として活用してきた。市の歩みとともに存在したホテルなのに」と惜しんだ。

 船橋商工会議所の篠田好造会頭は「市内各団体が集会場所として使用し、わがままを聞いてもらったホテル。廃業はとても残念。市の活力が減退するようで、危機感を覚える」と経済界への影響の広がりを懸念した。