石木ダム工事現場 県が私物撤去要求 反対派住民ら「抜き打ち」を警戒

座り込みが続く付け替え道路の工事現場で、私物の撤去を求める看板=17日、川棚町

 長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で、県は、県道付け替え道路工事現場で抗議の座り込みを続ける反対住民らに対し、19日までにいすなどの私物を撤去するよう求めている。住民側は応じない構えで「抜き打ちで撤去するつもりでは」と警戒を強めている。
 付け替え道路は、全長約3.1キロのうち約1.1キロの区間で工事が進む。県によると、反対する住民や支援者らが抗議の座り込みを続ける約140メートルの区間で着工できていない。
 現場周辺には、住民側が休憩用のベンチやテーブル、倉庫などを設置。県は「当該箇所の盛り土工事に入る」として今月5日、私物の撤去を求める看板を3カ所に立てた。期限内に応じない場合は、県側で撤去する旨も通告している。
 県石木ダム建設事務所は取材に「工事の進捗(しんちょく)上、撤去する必要があるとお知らせした。期限後にすぐに撤去するわけではないが、自主的に移動してほしい」と説明。一方の住民側は、以前に県側が深夜や早朝に抜き打ちで工事に着手した経過を踏まえ「私たちが現場にいない間に撤去するのでは」と警戒し、20日以降は座り込みの時間を増やすことを検討している。

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