フォーミュラEのアガグCEO、将来的なF1との合併の可能性を否定せず

 フォーミュラEのCEOであるアレハンドロ・アガグは、フォーミュラEとF1の合併は長期的な将来のある時点で起こる可能性があると述べている。

 2014年に始まったフォーミュラEは、大手自動車メーカーを引きつけることに成功している。自動車産業は電動モビリティをベースとしたより持続可能なパラダイムに移行してきているからだ。

 F1もサステナビリティや環境問題に対処するにあたって、2030年までに二酸化炭素排出量をゼロにするという野心的な計画に着手している。

 しかしながら、モータースポーツの最高峰であるF1は、近い将来に電力に切り替えるつもりはない。特にフォーミュラEはFIAから独占ライセンスを与えられており、モータースポーツにおいて2039年まで国際的な電動シングルシーターシリーズのトップを占めることになる。

 しかしアガグは、このふたつのカテゴリーは、将来のいずれかの時点で合併の可能性があると語っている。

「私はF1の大ファンだ。ずっとそうだった」とアガグは今週FIAのeカンファレンスで発言した。

「思うに将来的には電力がパワートレインになるか、クルマを動かす方法になっていくだろう。そしてフォーミュラEは、電動シングルシーターにおいて25年間にわたる独占ライセンスを所持している」

「そういうわけで私としては、将来的に何らかの合意条件を設けることになる。それがどのように行われるかは分からないが」

 性能面のみを見れば、フォーミュラEの電動ドライブトレインは、F1のハイブリッドV6内燃エンジンより大分劣っている。しかしアガグは、性能面でフォーミュEのマシンが進化し、F1と肩を並べるようになれば、合併の可能性は出てくると語っている。

「電動フォーミュラマシンが燃料フォーミュラマシンと同じくらい速くなれば、別々にレースをする理由はなくなるだろう」

「しかしそれにはしばらく時間がかかると思う」

「私は業界にいるかもしれないし、いないかもしれない。だが今のような責任は負っていないだろう。差し迫っているわけではないが、将来何らかの形でアプローチのための条件が整うだろう」

ニコラ・トッド&アレハンドロ・アガグ

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