【「M」連載】久保田紗友◆インタビュー “必死で不器用な悪女”理沙を演じて感じたもの。「根底にある仕事に対しての思いは通じるものがある」

「M」や「BLUE BIRD」「SEASONS」など、時代を彩るさまざまな名曲で日本の音楽シーンを牽引してきた浜崎あゆみさん。そんな“平成の歌姫”誕生の裏に秘められた出会いと別れの物語を描いた小松成美さんの小説「M 愛すべき人がいて」が初の実写化! 安斉かれんさん、三浦翔平さんのダブル主演、鈴木おさむさんが脚本を手掛け、ドラマを盛り上げます!!

6月20日放送・第5話では、アユ(安斉かれん)から好きだと告白されたマサ(三浦翔平)は自分の抱く思いに気が付き、自分の決意を伝えます。マサとの結婚に突き進む姫野礼香(田中みな実)は、結婚式で着るためにウエディングドレスを借りてマサの前に現れ…。

一方、アユとAXELSのデビュー日が近づく中、宣伝を強化したアユの名前が若者たちの間で話題に。負けたくないと焦る玉木理沙(久保田紗友)は流川翔(白濱亜嵐)に不満をぶつけ、さらにアユの名前が広まることをよく思わない大浜(高嶋政伸)は礼香を呼び出し、ある行動をとるように伝えます。

今回、インターネットTVガイドでは、アユのライバルで、時にはアユを蹴落としてまでもスターダムにのし上がろうとする、ハングリー精神強き女性・理沙を演じる久保田さんにインタビュー! 役との対比や、ご自身にとってのライバル、本作で楽しみなことなどを伺いました。

――まずは「M」への出演が決まった際の心境をお聞かせください。

「元々話題になっていた作品でしたし、鈴木おさむさんの脚本ということでとても楽しみでした。登場人物は本当にみんな個性豊かなキャラクターばかりなので、その中で埋もれずに理沙役を演じられるのか、少し不安もありましたが、ここまで自由度が高い現場もなかなかないので、チャンスだとも思いました」

――今回演じる理沙の役どころについて教えてください。

「玉木理沙は、アユの友達という立場ですが、自分から誘って行った(ディスコの)『ベルファイン』でアユがマックスマサに気に入られてしまい、そこからアユが最大のライバルへと変わっていきます。理沙は、プライドが高く、自分に自信もあったので、アユへの嫉妬は相当強いものになっていきます。ですが、一方でアユのよさを素直に認められずに、酷いことをしてしまう自分を止められない弱い一面もあります」

――前クール「鈍色の箱の中で」で演じられた桜井美羽とはまた違った勝気なキャラクターな印象ですが、どんなことを意識して演じていますか?

「自分の出したいテンションのもう一段回上を出そうと意識しながら演じています。今回の時代背景的や物語的にも、エネルギーと勢いがありとてもキラキラしていて、登場人物のキャラクターも濃い人ばかりなので、周りの方に負けない気持ちで楽しんで演じさせていただいています」

――ご自身と理沙を比較して、似ているところなどありますか?

「負けず嫌いなところは似ていると思います。私自身、理沙と同じく“芸能”というお仕事をさせていただいている中で感じる悔しい思いやライバル心などは、すごく共感できます。私は人に意地悪なことはしたことはないですが(笑)、根底にあるお仕事に対しての思いみたいなものは通じる部分があります」

――アユとはライバル関係になると思います。負けず嫌いとのお話も出ましたが、ご自身はハングリー精神がある方ですか? あればどのような時に出てきますか?

「ある方かと思います。お仕事にもつながるので、(今はできていませんが)日々観劇をしたり、ステージなどで輝いているアーティストの方を見たり、そのほかにも、直接現場で頑張っている方を見ると触発されて、もっともっと私も演じたい、頑張りたいなと思います。ハングリー精神がなかったら、きっとこのお仕事自体も続けてこられなかったと思います」

――なるほど。久保田さんが触発されているライバルや、リスペクトしている方がいれば教えてください。

「一番のライバルは自分です。自分と向き合うことって、すごく大事だと思いますし、つらい時もあるけど、向き合えば向き合うほど成長できると思うので。どの分野でも、当たり前のことを当たり前にできる方は尊敬できます」

――ではここで、今作の舞台の、1990年代という時代についての印象はいかがですか?

「“開放的”なイメージです。今は、SNSなどの普及もあり直接思いを伝えたりすることがその頃に比べると少なくなってきている気がします。感情表現の表し方も90年代は今よりもストレートで大胆な気がします」

――もし90年代を生きていたらやってみたかったことを教えてください。

「今と同じく役者をやりたいです。今とは全く違うやり方でやっていることがあると思うので、体感してみたいです。あとは、90年代に活躍されていたアーティストの方のライブやフェスに行ってみたいです」

――90年代に活躍したアーティストの筆頭といえば、やはり浜崎さんになるのかと思いますが、どのような印象ですか?

「まさに“国民的歌手”というイメージです。何年経っても誰もが口ずさめる名曲を生み出されている方は、常々すごい方だなと思っています」

――浜崎さんのほかにも、久保田さんが普段聴いている音楽や、最近ハマっている楽曲を教えてください。

「普段は洋楽を聴くことが多いです。R&Bやジャズやソウルミュージックをよく聴いています。最近は、レコードでK-CI&JOJOを聴いています」

――話題作に出演されるにあたって、これまではプレッシャーに感じたことを多く聞かれてきたかと思います。反対に、本作への出演で楽しみなことを教えてください。

「ここまで感情をずっとあらわに出しながらお芝居をしたりするのは、今まであまりなかったのと、普段の生活でもあまり感情を表に出すタイプではないので、どうやって表現できるかを考えるのがすごく楽しいです。毎回、台本を読みながら、これはどんなシーンになるのだろうとワクワクしています」

――台本といえば、本作は鈴木おさむさんの脚本ですね。鈴木脚本ならではの部分などは感じていますか?

「いろいろなことが次々と起こるテンポのよさと、インパクトのあるセリフ回し。見れば見るほど癖になる作品、誰かと共有しながら見たくなってしまう作品は、鈴木さんならではだと思います」

―― 理沙の注目ポイントをお願いします。

「理沙は、時には見てくださる方の“敵”になるかもしれませんが、夢をかなえたいがために、一生懸命頑張りすぎて自分が壊れていってしまうことは、気持ちの部分では実際あり得る話だと思って演じさせていただいています。“意地悪な子”だけではなく、そういった必死で不器用な理沙の部分も見ていただきたいです。ぜひ、温かく最後まで見守ってくださるとうれしいです」

――では、最後に 意気込みとメッセージをお願いします。

「この作品は、面白く見ていただきつつも、登場人物一人一人にドラマがあり、メッセージ性のあるセリフも出てきます。世の中大変な状況ではありますが、このドラマを見て少しでも楽しんでいただけるとうれしいです」

――ありがとうございました

【プロフィール】

久保田紗友(くぼた さゆ)
2000年1月18日生まれ。北海道出身。2013年にドラマ「神様のイタズラ」(BS-TBS)で主演を務める。17年には映画「ハローグッバイ」で長編映画初主演を果たすと、ドラマ「過保護のカホコ」(日本テレビ系)や、「この世界の片隅に」(TBS系)、「左利きのエレン」(MBS/TBS)など、さまざまな話題作に出演。20年のドラマ「鈍色の箱の中で」(テレビ朝日系)でも主演を務めるなど、活躍の幅を広げている。21年春には、主演映画の「叩き壊すほどに君へ-WADAIKO†GIRLS-」などの公開も控えている。

【番組情報】

「M 愛すべき人がいて」
テレビ朝日系
土曜 午後11 :15〜深夜0:05
※ABEMAで独占配信

テレビ朝日担当 I・S/Y・O

© 株式会社東京ニュース通信社