日本遺産に「シュガーロード」認定 天正遣欧と赤米は不認定

新たに認定された日本遺産

 文化庁は19日、有形、無形の文化財を観光資源として活用する日本遺産に、長崎県と佐賀、福岡両県の8市が申請していた「砂糖文化を広めた長崎街道~シュガーロード~」など全国の21件を認定したと発表した。認定は2015年度からの累計で104件となり「20年度までに100件程度」とした目標に達した。今回で認定は最後とし、当面は認定しない。【24面に関連記事】
 シュガーロードは、長崎から小倉に続く長崎街道で独自に育まれた砂糖文化に焦点を当てた。県内ではカステラや諫早おこし、大村寿司(ずし)、出島和蘭商館跡などが対象資産で、佐賀県の小城羊羹(ようかん)や福岡県の千鳥饅頭(まんじゅう)などを含め52資産で構成する。
 認定は有識者らでつくる委員会が審査し「鎖国期における砂糖や南蛮文化の伝播(でんぱ)が分かりやすくまとまっており、文化財との関連も分かりやすい」と評価された。全会一致だった。
 申請したのは長崎、諫早、大村、嬉野、小城、佐賀、飯塚、北九州の計8市。16年度分から毎年申請し、これまで4回連続で不認定となっていた。
 長崎県関係はこのほか、南島原市や大村市などが天正遣欧少年使節の物語、対馬市などが赤米文化を申請していたが、いずれも不認定となった。
 全国的にはこれまで認定がなかった東京都からも初めて選ばれ全都道府県に拡大した。今後は「認定後の取り組みに温度差がある」として既存の遺産の底上げを図る方針。ブランドを維持、強化する具体的な方策は有識者でつくる委員会で検討する。


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